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アルゼンチン人コーチが語る「セネガルの弱点はGK」

林壮一ノンフィクションライター
セネガル戦でも勝ち点を奪いたいサムライブルー(写真:ロイター/アフロ)

 セルヒオ・エスクデロ。

 アルゼンチン出身。兄は1979年ワールドユース東京大会でマラドーナと共に世界一となったピチ・エスクデロ。息子は現京都サンガの背番号10、エスクデロ競飛王。

 自身はアルゼンチン、スペインでプロとしてのキャリアを積み、アルゼンチンユース代表、ビーチサッカーアルゼンチン代表に選出された。引退後は、柏レイソル青梅、レッズ・ユース、埼玉栄高校、エルサルバドルのプロチームでの指導者を経て、現在は埼玉県に発足したクラブチームFC Futureで指揮を執る。

 彼に2日後のセネガル戦について訊ねた。

写真:本人提供
写真:本人提供

 ポーランドを2-1で下したセネガルは、日本にとってかなり危険な相手です。一人一人の身体能力が高く、プレーが速い。スタメンで出てくる選手は、ほぼ全員がヨーロッパのクラブに所属しています。つまり、経験が豊富でサッカーを良く知っているんですね。

 平均身長が184センチで、真ん中のラインは190センチを超えています。非常に高さのあるチームです。両サイドからアーリークロスを上げ、CFにぶつける策をとるでしょう。特に攻撃の起点となるエースの#10、マネが要注意人物です。

 日本はセネガルにセンターリングを上げさせないことが課題です。コロンビア戦もそうでしたが、乾と原口のディフェンス力が勝負を分けますよ。

 セネガルのCB、背番号3のクリバリと、6番のサネ。ここの守備は固いですね。ポーランド戦でのセネガルは、慌てずに引いて守り、カウンターを狙っていました。ボール支配率ならポーランドの方が上でしたが、ボールを奪ってからの攻撃の連携、そして個々のスピードには目を見張るものがあります。フィールドプレイヤーに、弱点はあまり見られませんでした。

 ただ、セネガルのGKはイマイチです。DF陣がバックパスした際、ミスが目立ちました。ですから、大迫にはガンガン前からプレスをかけてほしいです。日本の攻撃陣が、前から前からプレッシャーをかけ続けることができれば、活路は開けます。

 正直、実力的には日本よりもずっと上の相手ですよ。でも、コロンビア戦に続いて勝ち点を狙ってほしい。サッカーには何が起こるかわからないことをコロンビア戦で味わったチームですから、思い切って戦ってください。

 セネガルは怖い相手ですが、面白い試合になるでしょう。日本の勝利を祈っています!

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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