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200年に一人の天才ボクサーも脱帽「井上尚弥には、非の打ちどころが無い!」

林壮一ノンフィクションライター
撮影:山口裕朗

 現役時代、所属していた協栄ジム会長の金平正紀に「具志堅用高を超える逸材」「200年に1人の天才」と絶賛された元WBAジュニアウエルター級1位、日本同級&日本ウエルター級王者の亀田昭雄が、新WBAバンタム級王者、井上尚弥について語った。

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撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 井上尚弥は上手い。本当に上手いですよ。

 「打たさずに打つ」ということが出来ています。やはり、アマチュアでしっかり基礎を学び、そこからプロで自分のボクシングを肉付けしていったところが良かったのでしょうね。ディフェンス面は、アンタッチャブルと呼ばれた川島郭志ばりの目の良さと、鋭い勘があります。

 オフェンス面も自分より背が高くてリーチのある相手にした場合でも、勇気を持って懐に入っていけますね。そして、パンチをまとめて打てる。

 ハートも技術も文句のつけようがありません。今まで日本に誕生した世界チャンピオンのなかでも、ナンバーワンと言っていいでしょう。本当に脱帽です。

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 僕が彼に対して一言あるとすれば、早く海外を拠点にして本場に出ていった方がいい、ということです。

 あの能力なら、本気でマニー・パッキャオを目指してほしい。パッキャオだって、最初からアメリカでスターダムが約束されていた訳ではありませんでした。

 アメリカに進出したばかりの頃は、オスカー・デラホーヤやフロイド・メイウェザー・ジュニア、マイク・タイソンらの前座を務め、メキシコの英雄たちを何度も粉砕し、オスカー・デラホーヤを引退に追い込んで、ようやく最強であることを認めさせたんです。

 是非、井上には大きな夢を追い続けてほしいです。これまでの日本人が歩んだことのない、辿り着いたことのない場所まで進んでもらいたいです。昇れるところまで、昇りつめてもらいたい。

 世界バンタム級王者たちが集うトーナメントでも優勝できると思います。期待大ですね。

 いやぁ、今回は言う事がありません! 井上尚弥には、非の打ちどころが無いんですから。本当にチャンピオン同士の対決は本場を舞台に、彼の強さを見せつけてもらいたいです!

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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