La Roja撃沈
誰もが予期し得なかったスペインの大敗。オランダは4年前の雪辱を果たした。オレンジ・ファンにはたまらない勝利である。
ワールドカップについて会話をした多くのサッカー関係者、ジャーナリストたちは、ブラジル、アルゼンチン、ドイツと共にスペインを4強に挙げた。当然だ。EURO連覇、4年前の南ア大会でのVと、無敵艦隊と称されたスペインのサッカーは、長くトレンドとされていたのだから…。
しかし、オランダ戦でイニエスタは消えていた。シャビも好調時の鋭さが見られなかった。FCバルセロナが常勝軍団でなくなったように、選手たちはそれぞれ年齢を重ね、アスリートとしての自分を失っていく。
34歳のシャビは、今大会をもって代表チームからの引退をアナウンスしている。99年にワールドユースで日本を下して優勝した際のキープレイヤーで、当時、日本チームで最も体幹が強かった稲本潤一を吹っ飛ばした。両者には10センチ以上もの身長差があるというのに。世界の舞台に踊り出て以来、シャビは小柄ながら速いパスサッカーで己の存在を知らしめて来た。
それにしても負けるときは呆気ないものだ。ドイツ大会の覇者イタリアが4年後の南ア大会で0勝2引き分け1敗で消えたように、4年間、力を維持するのは難しい。1-5。何よりもその重みを感じているのはスペイン選手たちだろう。
こんな時、監督はどんな言葉を選手たちに掛けるのか? いかに気持ちを切り替えさせるのか。タイムアップ寸前、控え選手たちの頭を撫でるビセンテ・デル・ボスケ監督の姿が印象的だった。ここから建て直す様を見たいが、現実的には難しいだろう…。
かつて、マイク・タイソンを取材していた頃に使用したタイトルをこの原稿でも付けてみた。
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