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滝川クリステル両親が語る「キャスターとして、妻として、母としての娘の今」

鎮目博道テレビプロデューサー・演出・ライター。
滝川クリステルさん(写真:アフロスポーツ)

キャスターとして、そして小泉進次郎環境大臣の妻として注目を集める滝川クリステルさん。今回、その滝川クリステルさんの父であるミシェル・ラルドゥさんと、母である滝川美緒子さんにインタビューすることができた。

滝川クリステルさんはどのように育てられ、今のようにキャスターとして成功を掴んだのか。そして、小泉進次郎環境大臣とどのような家庭を作り、子育てをしているのか。ご両親に1時間にわたってお話を聞いた。

本当は「ミステリーハンター」になりたかった

Q:滝川クリステルさんは、子供の頃フランスで育ったわけですが、そのことがキャスターになるということに繋がっているのですか?

母:あの人はやっぱり外見がちょっと違うので、目立ってしまって、OLを普通にやれるというわけじゃないですよね。娘は兼高かおるさんのような仕事をやりたかったみたいです。それからあの…ほら…ミシェルが好きな番組、世界の。あの、大きな木が1本出ている…

Q:「世界ふしぎ発見!」ですね?

母:世界ふしぎ発見!

父:あれをやりたかったみたいですよ。

Q:ミステリーハンターをですか?

母:そう。あの人はアウトドア派なんです、ああ見えても。小さい頃からプールでも学校代表になったり、走りも代表になったり、案外スポーツが得意でした。

父:スポーツはとても真剣にやっていました。

母;だからやっている番組も結構、高い木の上に登ったり、洞窟に入ったり、すごいことをやったりしていますよね。ああいうのは大好きなんじゃないですか。

Q:なるほど。そういうフィールドワーク的に外国へ行ってみたいなことがやりたかった?

母:そう。昔家族でいろいろな国に旅行していることも関係しているかもしれません。

父:休みのときに、あちこち行きました。毎年夏休みを取っていたわけですから。いつも帰国してよその国に行っていたわけです。旅行へ連れていっていました。

母:バカンスですね、40日くらい取れる。

父:一番印象深いのはケニアでした。アフリカに行った時はとても喜んでいました。サファリパークに行って動物を見て、とても喜んでいました。あとはヨーロッパ。ドイツも行ったし、イタリアにも行ったし、スペインも横断して、ポルトガルのほうにも行きました。ほとんどヨーロッパは行きましたね。

滝川クリステルさんの父 ミシェル・ラルドゥさん
滝川クリステルさんの父 ミシェル・ラルドゥさん

娘はラッキーかも。いつも始まりは「2番手」

Q:なるほど。そうした活発な少女時代を過ごされて、好奇心も旺盛だった?

母:そうなのかしらね。頑張り屋さんです。それだけは、私から見て、あの人は本当に頑張り屋さんです。それから娘は案外ラッキーかも分からない。

Q;ラッキーなんですか?

父:いや、これはラッキーと言えないと思います。チャンスがあればつかむということだと思いますよ。

母:昔からくじとか何とか、娘だけが「運」を持っていました。

Q:ご自身の努力とラッキーでチャンスをつかんでいかれた?

父:そう。

母:そう。だからテレビ局も結構落ちたところは落ちていると思う。フジが採ってくれたけれども…共同テレビ(フジテレビの関係会社)での採用でした。青山学院大学の頃のミスコンテストでも、娘はたぶん2位、トップじゃない。(※クリステルさんは1996年の準ミス青山)だけれども、同じトップの人はたぶんフジテレビに入っているかも分からない。(※1996年のミス青山はフジテレビの梅津弥英子アナウンサー。)

Q:いろんな節々にチャンスをゲットされるということですか?

母:回ってくる。誰かに選んでもらうわけですよね。娘はそんな「キャスターに」とか、そういうふうに思っていなくても巡り合うわけですよ。そういうことをすごく感じます。

父:そういう意味でラッキーということ。

母:その後はすごく努力しますよね。

父:努力をしているんです。努力者です。

母:ニュースキャスターの頃は大変だったと思います。時間的にも大変だった。休みなしにやっていました。具合悪くてもやっていたんじゃないですか。注射だの点滴だのを打ってもらったりしながら。

父:病気にならないように、一生懸命努力していました。

母:毎日、仕事が終わると私に電話してきていました。必ず毎日。深夜の2時でも3時でも。私も起きている時間だったからいいんですけど。

Q:どんな話を?

母:仕事のこと、とにかく毎日その日の仕事のこと。会社でって、こんなことがあったって。それからお洋服のこともしゃべっていました。だから、そういう意味では、そうやって電話でしゃべることで、娘もちょっと気が楽になっていたかもわからないです。

Q:そしていろんなお仕事をなさって成功されて、どんどん有名になっていかれてというのは、ご両親からするとどんな感じだったんですか。

父:想像していなかったです。

母:フリーになった時にも、そろそろ年齢もあれだったから、普通に結婚とかそういうふうになっていく、そういう人生かなとか思ったら、そうしたらオリンピックになって。

Q:あれで日本中に有名になってしまいましたね。

母:そう。

父:最初にオリンピックのオファーがあるという報告が娘からあったわけですけれども、どういう内容かというと、「通訳をする」と。それが結局、そういうようなスピーチ(五輪招致の時の「おもてなし」のスピーチ)だったわけですよ。最初は本人も分からなかったんです。

Q:なるほど。通訳かなとご本人も思っていた?

父:通訳かなと思っていたけれども、そういうような通訳(招致のためのスピーチ)ならちょっとということで。(断ろうと思っていた。)

母:その結果もしオリンピック選考に落ちたり駄目になって、娘なんかがスポーツ関係じゃないのにいたりして、そんな理由で、どんなとばっちりが来るか分からないから、断ろうかということはあったんです。でも私たち的には、「もしも」と思って「目指したら?」と言ったのを覚えています。

Q:結果的には、やっぱりそこもラッキーだったというか。

父:そうそう。

母:だから、本当にあの子は小さい時からそういう……最初は1番トップじゃないでしょう? 2番手。それが結構不思議だな、と思います。

小泉進次郎環境大臣との結婚

Q:そして、とても有名な方とご結婚をなさって。

母:そうですよ。それは本当に、おうちからあんまり出られないような。

Q:確かに普通に考えると、普通の男性と結婚するより大変そうだなとは何となく思いますよね。そこをあえて選ばれたということなんでしょうか。

母:そうじゃなくて、やっぱりあの人には普通の人と。私は夫が普通のサラリーマンだったのが結構楽だったことがあるので、外国の人とかも思ったけれども。やっぱり娘がいるああいう世界にはチャンスというのはなかなか。普通のサラリーマンの、エリートサラリーマンとかそういう人とは、なかなかチャンスはないですよね。私たち普通の女性が芸能界の人と結婚する、そういうチャンスもないのと同じように。

Q:会う機会がないということですよね。

母:会う機会がないから、そういうふうに進展することもないし。

Q:そうですね。お仕事上でたまたま小泉大臣とお会いになる機会が、結構おありになったということですかね。

母:そう。だから娘は進次郎さんとインタビューしたりして会う機会があって。たまに連絡ぐらいはあったのかも分からないです。

Q:どうですか。ご両親としてはそのことはとてもうれしい?

父:うれしい。本人自身が幸せであれば、それであとは結構です。我々はうれしいし。両親として当然のことです。

「結婚生活」そして「子育て」は?

滝川クリステルさんは、現在母親の美緒子さんと共著で、父親のミシェルさん監修のもと、サン=テグジュペリの名著「星の王子さま」の解説本の出版準備を進めているという。(『サン=テグジュペリ トリック 「星の王子さま」の絵が予言する歴史の真実』滝川美緒子 著 滝川クリステル 原文翻訳 ミシェル・ラルドゥ監修 高陵社書店から刊行予定)

インタビューの後編では、滝川クリステルさんと小泉進次郎環境大臣の夫婦生活と子育てについて、そしてこの「星の王子さま」解説本について、滝川クリステルさんのご両親にお話をうかがった内容をご紹介する。

テレビプロデューサー・演出・ライター。

92年テレビ朝日入社。社会部記者として阪神大震災やオウム真理教を取材した後、スーパーJチャンネル、スーパーモーニング、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。中国・朝鮮半島やアメリカ同時多発テロなどを取材。またABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」「Wの悲喜劇」などの番組を企画・プロデュース。2019年8月に独立し、テレビ・動画制作のみならず、多メディアで活動。公共コミュニケーション学会会員として地域メディアについて学び、顔ハメパネルをライフワークとして研究。近著に『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)

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