【独自】立憲・階氏「上川さんは大臣失格、不信任案もあり得る」―スリランカ人女性死亡等の対応を批判

階猛衆議院議員 衆議院インターネット中継より

 衆院法務委員会の筆頭理事の階猛衆議院議員(立憲民主党)が、筆者の取材に応じ、国内外から強い批判を浴びている入管法「改正」案を廃案させることを目指すと明言。名古屋入管でのスリランカ人女性の死亡事件など相次ぐ法務省関連のスキャンダルに対する上川陽子法務大臣の対応も批判、「不信任案の提出の可能性もある」と語った。

○入管法「改正」案の廃案を目指す

 現在、衆院法務委員会で審議されている入管法「改正」案は、難民認定申請者を強制送還できる例外規定を設け、送還を拒む場合には刑事罰を科すこと等が盛り込まれており、国連難民高等弁務官室(UNHCR)は、難民を迫害の恐れのあるところへ送り返してはならないとする国際法の原則(ノンルフールマンの原則)に反するのではと危惧している。

 入管法「改正」案に対し、野党第一党である立憲民主党はどのように臨むのか。衆院法務委員会の筆頭理事でもある、階猛衆議院議員は筆者の取材に応じ、「廃案させることを目指す」と明言し、弱腰の対応になるのではとの一部の見方を強く否定した。また、階議員は、先月、名古屋入管に収容中であったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんが死亡した事件についても触れ、「真相を明らかにした上で改善策も議論しないと、(入管法「改正」で)制度が変わっても意味がない」と語った。

 現状及び、入管法「改正」案においても、「不認定」とされた難民認定申請者やオーバーステイ等の外国人*を出入国在留管理庁(入管)の収容施設に収容するか否かは、入管が大きすぎる権限を持ち、その収容の是非について、裁判所等の第三者的な機関による速やかな救済措置がない。これに対し、国連の特別報告者達と国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会が「国際人権規約に反する」として異例の批判声明を公表したのだ。

 階議員が言及したウィシュマさん事件も、著しい体重減少や吐血などの体調不良を訴えていたウィシュマさんを収容し続け、外部の病院に入院させなかった名古屋入管の対応が、最悪の事態を招いた大きな要因であろう。

*日本の難民認定率は0.2~1%程度と、他の先進諸国に比べ文字通り桁違いに低く、UNHCRの年次報告書でも、難民認定率が低い国として名指しされている。また、日本も支持した国連文書「グローバル・コンパクト」においても、収容は「最後の手段」として可能な限り行わないことを求めている。

○上川氏は大臣失格、不信任案提出も排除せず

 ウィシュマさん事件、国連特別報告者らやUNHCR等からの批判や懸念の表明など、入管法「改正」案どころか、入管行政そのものが問われる事態に発展している。「入管関係だけでなく、検察の不祥事などに何もしないこともそうなのですが、上川法務大臣は法務検察組織の代表としてだけ振る舞っている」と階議員は苦言する。「国民の代表である国会議員という立場であるとか、国会から信任されて大臣の地位にあるということを全く認識していない」「事実関係を調査して責任の所在を明らかにして、改善策を行うということを、全く、政治主導でやろうとしない。法務大臣として失格です」(階議員)。

 筆者が「上川法務大臣の資質を問うことも考えているか」と水をむけると、階議員は「可能性は排除しません」と述べ、不信任案の提出もあり得るとの姿勢を見せた。

 度重なる国連の人権の専門家達の指摘を無視し、入管施設内での「未必の殺人」とも言えるような事件が起きることを防げなかった上川法務大臣。そのツケは、自らの進退というかたちで払わされるのかもしれない。

(了)

パレスチナやイラクなどの紛争地での現地取材、脱原発・自然エネルギー取材の他、入管による在日外国人への人権侵害、米軍基地問題や貧困・格差etcも取材、幅広く活動するジャーナリスト。週刊誌や新聞、通信社などに寄稿、テレビ局に映像を提供。著書に『13歳からの環境問題』(かもがわ出版)、『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共編著に『原発依存国家』(扶桑社新書)、『イラク戦争を検証するための20の論点』(合同ブックレット)など。イラク戦争の検証を求めるネットワークの事務局長。

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