【都議選】安倍首相「(自分を批判する)こんな人達に負けない」→自民歴史的敗北  国政への影響は 

都議選での歴史的大敗に下村博文・自民党幹事長代行も「国政で逆風」と発言。(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

昨日2日に投開票が行われた都議選は、地方自治選挙というより、有権者の国政への意思表示だったと言えるだろう。都議会選挙で自民党は、前回の57議席から、半分以下の23議席に激減。過去の最低議席数37議席にも遠く及ばないという、正に歴史的敗北だった。この敗因について、今回落選した自民候補の言葉が、報道番組で紹介され、話題となっている。その発言の主は、安倍首相が今回の都議選で唯一、街頭での応援演説に駆け付けた中村あや氏だ。

〇傲慢さ、不誠実さが招いた歴史的敗北

開票後すぐに落選が明らかになった中村氏は、報道陣に対して、この様に敗者の弁を語った。「報道で取り上げられている内容も含め、皆さん脇が甘いなと思いますよね」「人を罵倒したり、お金の問題であるとか」

人を罵倒というのは、秘書への罵詈雑言や暴力で自民党を離党した豊田真由子衆議院議員だろうし、お金の問題というのは、加計学園から200万円の違法献金が報じられた下村博文・自民党幹事長代行だろう。自民党の国会議員らへの恨み節とも取れる発言の後、中村氏はツイッターに以下のように投稿、弁明しているが、安倍政権の不人気ぶりが都議選の自民党の歴史的敗北を招いたということは誰の目にも明らかだ。

「一強」と言われた安倍政権の支持率に陰りをもたらしているのは、その傲慢さ、不誠実さだろう。上述の中村氏への応援演説にもそれを感じさせる場面があった。7月1日、秋葉原で行われた中村氏の街頭演説に安倍首相が応援に駆け付けたところ、安倍首相に抗議する人々が続々と集まり、瞬く間に群衆となって「安倍やめろ!」の大合唱となった。それに対し、安倍首相は森友学園や加計学園など自身のスキャンダルについて詫びるどころか逆上して、抗議する人々へ指さし、「こんな人達に負けるわけにはいかない!」と強弁したのである。

抗議活動に参加するか否かは別としても、加計学園について安倍政権の説明は不十分だとする人々が圧倒的多数であるのは、世論調査でも明らかだ。先月のTBSの調査では79%が「説明責任を果たしてない」、同月のFNNの調査では実に84.8%が「説明は十分と思わない」と回答している。抗議者に指さしての「こんな人達に~」発言は、安倍首相がこの期に及んでなお、傲慢であることを象徴的に示したものであった。

〇問われる説明責任、憲法に従い臨時国会を

都議選の結果が、安倍政権への都民の意思表示だとするならば、安倍政権が果たすべきは、自らの説明責任である。民進、共産などの野党は、臨時国会の召集を求めている。これは、憲法53条に基づく要求だ。

「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」

出典:日本国憲法53条

だが、呆れることに、民進党の山井和則国対委員長に対し、自民党の竹下亘国対委員長は、先月27日、「安倍首相は加計問題について追及されることを嫌がっている(から臨時国会は開けない)」として臨時国会召集を拒否したというのである(関連報道)。憲法より、首相の保身が優先するなど、もはや民主主義国家の政党とは言えない。それこそ、どこぞの全体主義国家の一党独裁と同じようなレベルに自民党は落ちつつある。首相が望もうと望まなかろうと、憲法に従うべきだ。

天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う。

出典:日本国憲法・第99条

憲法上の義務から目を背け、「国民は時間が経てば忘れる」とばかりに臨時国会召集をしないまま、一連のスキャンダルの幕引きを図るのであれば、安倍政権は手痛いしっぺ返しを被ることになる。そのことが明らかになったのが、今回の都議選であろう。憲法上の義務も、有権者への説明責任も果たさないのであれば、内閣総辞職するしかないのではないか。