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”天下の悪法”共謀罪法案が強行採決寸前、国会周囲で毎日昼夜に抗議活動―野党に審議拒否求める声も

志葉玲フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)
12日の夜、国会正門前で行われた共謀罪反対のアピール

政府与党は、今週18日にも「テロ等準備罪」法案、いわゆる共謀罪法案を衆議院で強行採決すると見られている。だが、犯罪が行われる前や、犯罪の準備をする前の時点で、当局が「犯罪を実行しようという合意があった」と判断した時点で取り締まる共謀罪において、当局が実際に取り締まりを行おうとすれば、日常的かつ無制限な監視、盗聴などが必要となる。そのため「超監視社会になる」「政権都合の恣意的な監視や捜査が横行する」として、野党やメディア関係者、市民団体、弁護士などの間では、共謀罪法案に対する警戒感が強い。今週は、お昼時と夕方以降、毎日何かしらの抗議活動が行われる予定だ。

〇共謀罪反対に61万人以上が署名

12日夕方、衆議院第二議員会館前で行われた共謀罪反対の集会
12日夕方、衆議院第二議員会館前で行われた共謀罪反対の集会

先週の金曜12日、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」「共謀罪NO!実行委員会」が議員会館の前で行った集会で、全国から寄せられた「『共謀罪』の創設に反対する緊急統一署名」 約55 万分に、当日持参された 約6 万人分を追加した約61 万分の署名が提出され、民進、共産、社民党、沖縄の風の議員らが受け取った。この日は、夕方からも集会が行われ、弁護士の海渡雄一氏が発言。「1925年に治安維持法が制定されたときも政府は濫用のおそれはないと強調していた」と指摘。「治安維持法がその後濫用されるようになったように共謀罪も濫用される危険性がある」と訴えた。

また、同日の夜、国会正門前では10~20代の若者や子育て世代の母親達など幅広い層が参加するアクション「未来のための公共」が、共謀罪反対を訴え(本記事トップ写真)、テレ朝「報道ステーション」などでもその様子が紹介された。

〇今週は毎日、抗議活動

「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」や「安倍政権NO! ☆ 実行委員会」など各団体による共謀罪の抗議活動は、今日16日と19日は昼12時から16時まで、17日と18日は昼12時から夜19時半まで議員会館前で行われる。また、16日の18時半からは日比谷野外音楽堂での集会とデモ、18日19時からと19日18時半からは、国会正門前でも抗議活動が行われる予定だ。ネット上でも、安保法制に反対する学生や学者などによるシンクタンク「ReDEMOS」が、共謀罪の問題についてわかりやすく解説した動画を公開している。

〇「野党は審議拒否を」共謀罪に詳しいジャーナリストが訴え

共謀罪に詳しいジャーナリストの林克明氏は、筆者の取材に対し「野党は審議拒否すべきです。国会はすでに独裁状態。政府与党は、審議だの議論だのをまともに行っていません。いま審議拒否をすれば10年後、20年後に必ず評価されるでしょう」と、手段を択ばず共謀罪法案成立を防ぐべきだと訴えた。

(了)

フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)

パレスチナやイラク、ウクライナなどの紛争地での現地取材のほか、脱原発・温暖化対策の取材、入管による在日外国人への人権侵害etcも取材、幅広く活動するジャーナリスト。週刊誌や新聞、通信社などに写真や記事、テレビ局に映像を提供。著書に『ウクライナ危機から問う日本と世界の平和 戦場ジャーナリストの提言』(あけび書房)、『難民鎖国ニッポン』、『13歳からの環境問題』(かもがわ出版)、『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共著に共編著に『イラク戦争を知らない君たちへ』(あけび書房)、『原発依存国家』(扶桑社新書)など。

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