安保法制可決「悲壮感ない」「これからが始まり」―SEALDs、総がかり行動、野党が「打倒安倍」で結束

国会前に掲げられた「さよなら晋三」の横断幕 撮影:志葉玲

「憲法違反、憲法違反、憲法違反、憲法違反、憲法違反!!!」。突然、国会周辺で連呼され始めた怒りを帯びた掛け声。19日未明、午前2時すぎ。安保法制が参議院で可決されたのだ。前日の朝9時から2時間おきに国会周辺で集会を行ってきた「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動」の呼びかけで集まった人々は、日付けが変った参院での可決のその時まで抗議行動を続けていた。18日夕方から学生団体「SEALDs(シールズ)」の呼びかけで集まったも国会前に終結、18日夜9時の時点で、約4万人の人々が国会前に集まっていた。

安保法制が成立することになり、意気消沈したかと思いきや、総がかり行動の菱山南帆子さんらは「違憲の戦争法案は無効」と安倍政権の追及を緩めないことを確認。同じく総がかり行動の高田健さんも「沖縄の人々にならい、決して諦めず粘り強くやっていこう」と訴えた。やはり、夜通しで抗議行動を続けていたSEALDsの中心メンバーである奥田愛基さんは「悲壮感はない」と語る。「これから、やることはわかってる。世論の力で安保法制を使わせないようにしよう。選挙に行こう!賛成議員を落選させよう!!」と叫ぶとその場にいた人々も一斉に賛同の声をあげた。

「安保法制に賛成する議員は落選させよう」というプラカード 撮影:志葉玲
「安保法制に賛成する議員は落選させよう」というプラカード 撮影:志葉玲

国会正門前には、野党の議員らも次々現れ、マイクを握った。民主党の福山哲郎参議院議員は、「暴力的なあの国会内の景色と今日のこの一瞬を忘れないでください。覚えていて。なんとしても安倍政権を倒し、民主主義、平和主義、立憲主義を取り戻そうではないですか」と訴えた。生活の党の山本太郎参議院議員も「(安倍首相が今月後半の米国訪問で)アメリカ様に今回差し上げるお土産はこれ、返して頂くしかないですよね。我が国の一番大切な部分(=憲法)を差し上げた様ですが返してくださいって言える様な政治を、皆さんの力で、私達の力で作っていきませんか!」と呼びかけた。

野党共闘を宣言した共産党の志位委員長
野党共闘を宣言した共産党の志位委員長

」また、これに先立ち、共産党の志位和夫委員長も発言。「みなさんの声が与党を震えさせ、野党を励ましている。野党は今国会で3回も党首会談を行いました。これも皆さんの声が後押ししてくれたから。党首会談で、野党共闘を今後何があっても発展させていくことを確認しました!」と、安倍政権打倒にむけて、野党が結束し続けることを人々の前で宣言したのだった。

安保法制をなんとか成立させた安倍政権だが、その強引な憲法解釈や国会運営に、これまで政治に関心がなかった層を目覚めさせ、バラバラでまとまりがなかった野党も結束して「安倍政権の打倒」を目指すようになった。その場にいた老若男女、デモ参加者達も政治家達も口々に「これからが始まりだ!」と言う。安倍首相は、さらなる抵抗に直面することになるのだろう。

(了)

「野党がんばれー!」とエールを送る菱山さん 撮影:志葉玲
「野党がんばれー!」とエールを送る菱山さん 撮影:志葉玲
スピーチする奥田さん(中央)。 撮影:志葉玲
スピーチする奥田さん(中央)。 撮影:志葉玲
抗議行動は朝まで続いた。解散前にゴミ拾いするSEALDsメンバーら 撮影:志葉玲
抗議行動は朝まで続いた。解散前にゴミ拾いするSEALDsメンバーら 撮影:志葉玲

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パレスチナやイラクなどの紛争地での現地取材、脱原発・自然エネルギー取材の他、入管による在日外国人への人権侵害、米軍基地問題や貧困・格差etcも取材、幅広く活動するジャーナリスト。週刊誌や新聞、通信社などに寄稿、テレビ局に映像を提供。著書に『13歳からの環境問題』(かもがわ出版)、『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共編著に『原発依存国家』(扶桑社新書)、『イラク戦争を検証するための20の論点』(合同ブックレット)など。イラク戦争の検証を求めるネットワークの事務局長。

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