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国会前に約10万人!安保法制の強行採決狙う与党に怒れる人々が抗議-写真&ルポ

志葉玲フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)
国会前で抗議する若者たち
国会前で抗議する若者たち

集団的自衛権の行使容認など、圧倒的多数の憲法学者が「違憲」とする安保法制案が15日午後、衆院平和安全法制特別委員会で自民・公明による賛成多数で可決された。さらに与党は本日16日にも衆院本会議での採決を目論む。これに対し、15日夕方から護憲派市民団体による「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」、学生や若者主体の「SEALDs」などの呼びかけで、安保法制の強行採決に反対する人々が国会の周囲に集結。同日午後7時の時点で2万5000人以上が集まり、その後も続々と参加者は増加、最終的には午後10時までに、のべ人数として10万人もの人々が抗議の声をあげた(人数はいずれも主催者発表)。

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15日、国会正門周辺は既に午後6時半の時点で、抗議のために集まった人々であふれかえっていた。ただでさえ蒸し暑い中、大勢の熱気でさらに暑く感じる。人々は口々に「安保法制反対!」「強行採決を許すな!」と声をあげる。SEALDsのメンバーらは、「憲法守れ!」「勝手に決めるな!」「民主主義ってなんだ!」「なんか自民党感じ悪いよね」等とコールを繰り返し、周辺の参加者たちもこれに合わせて叫ぶ。

国会前抗議行動には、民主党の枝野幸男幹事長、共産党の志位和夫委員長、社民党の吉田忠智党首など野党議員も参加。それぞれ、「ちょうど55年前、安倍さんのおじいさんが国民に追い込まれやめされられました。安倍内閣も今日から終わりの始まりにしましょう」(枝野幹事長)、「圧倒的多数が反対といっている法案を強行するのは、国民主権への挑戦だ」(志位委員長)、「安倍政権を倒さなくてはいけない!私たちの戦いは、これからが正念場だ」(吉田党首)等と気勢を上げた。また、山口二郎・法政大教授(政治学)や、上野千鶴子・立命館大学特別招聘教授(社会学)、精神科医の香山リカ氏らも、マイクを握り、連帯のメッセージを述べた。

抗議活動開始からしばらくは、警察が抗議参加者の動きを規制していたが、増え続ける参加者の数に、終いには車道が解放され、人々で国会周囲は埋め尽くされた。国会前での大規模抗議活動は16日、17日も夕方から予定されており、国会情勢や天候次第では、15日以上の数の人々が集まる可能性もある。

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※写真は全て筆者の撮影

フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)

パレスチナやイラク、ウクライナなどの紛争地での現地取材のほか、脱原発・温暖化対策の取材、入管による在日外国人への人権侵害etcも取材、幅広く活動するジャーナリスト。週刊誌や新聞、通信社などに写真や記事、テレビ局に映像を提供。著書に『ウクライナ危機から問う日本と世界の平和 戦場ジャーナリストの提言』(あけび書房)、『難民鎖国ニッポン』、『13歳からの環境問題』(かもがわ出版)、『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共著に共編著に『イラク戦争を知らない君たちへ』(あけび書房)、『原発依存国家』(扶桑社新書)など。

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