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1000人に100万円プレゼント「 #前澤お年玉 」に便乗した懸賞詐欺に注意!手数料など騙し取る目的

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
その札束写真は「本物(懸賞用)」ではない可能性があります。(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

 ZOZO創業者の前澤友作さんが100万円を1000人にプレゼントする総額10億円の「 #前澤お年玉 」に便乗した詐欺が行われています。ご注意ください。

詐欺師が「当選しました」と偽DMを送付

 まず一番に気をつけて欲しいのは、前澤さん本人、もしくはスタッフを名乗る人物からの「当選しました」という偽DM(ダイレクトメール)です。

 前澤さんがツイートしていますが、「抽選作業には2~3日かかる」ほか、「DMを送信するときにはあらかじめ事前に告知する」とのことです。

 いま送られてくる当選メールはすべて詐欺のため、信用せずにブロックしてください。

「自分たちもお年玉します」と便乗する懸賞詐欺にも注意

 もうひとつ気をつけて欲しいのは、「前澤さんのお年玉にあわせて自分たちも100万円をプレゼントします」という懸賞詐欺です。

 これは「100万円や商品をプレゼントします」と言いながら、その懸賞品が送られてくることはない詐欺のパターンです。

 すでに何十件という数を確認しており、全部詐欺です(もしかしたら万に一つの可能性くらいで本物があるかもしれませんが、まあ詐欺だと思います)。

 わかりやすい事例としては、写真の使い回しです。

 以下の「金融トレーダー宮田真一郎」を名乗る人物は、札束の写真を掲載して「本当にお金がある」ように見せかけています。

 でもこれ「ミリオネア養成ファミリー 佐々木啓太」を名乗る人物が使っていた画像を使いまわしたものです。

ビジネススクールへの勧誘ページに掲載されていた札束写真。モザイクは筆者加工
ビジネススクールへの勧誘ページに掲載されていた札束写真。モザイクは筆者加工

 このあたりは同じ写真ばかりです(※1、※2、※3)。

 ほかには同じ札束の山を違う角度で撮っただけのものもあります。

 例えば以下のツイートは机の模様がそっくりです(※4、※5)。

 この机写真は使い回しもありました(※6)。

写真がパクリじゃなくても安心できない

 では、「同じ画像や同じ撮影場所じゃない札束の写真であれば本物なのか?」となると、それはまた違います。

 たとえばその写真は手元にあるお金を撮っただけ、という可能性はあります。お金はあるけどやらないよという話ですね。

 また、「お金を持っている誰かから札束写真や動画を買う」という事例も報道されています。

あの札束動画も、実はお金持ちや“半グレ組織”などから購入しているものです。札束動画を1分間で20万~30万円の価格で取り引きされています。動画が被らないように、ある程度は買い主の要望にも応えてくれますよ。詐欺投稿主が億万長者なんてことは、まずありませんね

出典:ツイッターに蔓延『現金100万円プレゼント詐欺』動画は半グレが売っていた | 日刊SPA!

 いずれにせよ詐欺師から100万円が当選することはありません。

手数料や保証料は絶対に払わないで!

 これらの懸賞詐欺の目的は、手数料や保証料を騙し取ることです。

 「振込手数料を負担して欲しい」、「商品を送るから送料を負担して欲しい」、「金額が高いので保証料を負担して欲しい」などなど、とにかくプレゼントを受け取るために申込者にいくらか負担するように言ってきます。

 あとはおわかりですね? 手数料や保証料を騙し取ってドロンです。クレジットカード情報を入力していた場合、その情報が悪用されてさらなる被害にも遭います。

 だいたい100万円をプレゼントするくらい懐に余裕があるなら振込手数料くらいそっちで負担してくれよと筆者なら思うのですが、被害に遭う人は目の前のお金や商品が欲しいために払ってしまうようです。

 『Twitter』上ではすでに被害も報告されています。

 また、前澤さんの偽DMの場合はリンクをタップ(クリック)すると以下のようなページに飛ばされ、振込先として口座情報を入力させようとしているようです。

リンク先のページ。筆者キャプチャ
リンク先のページ。筆者キャプチャ

 リンク先のページには申し込んだ人のメールアドレスが表示されていることから、「このリンクを踏んだ人のメールアドレス」と「振込先」を収集し、のちほど詐欺でお金を騙し取るのだと思われます。

ページ中央には申込者のメールアドレスが表示されていた。アドレスはマスク済み。筆者キャプチャ
ページ中央には申込者のメールアドレスが表示されていた。アドレスはマスク済み。筆者キャプチャ

 偽DM、詐欺メールが届いたときはリンク先を見ることなく削除しましょう。そして、手数料や保証金は絶対に払わないようにしてください。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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