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アップルiPhone、中国の要求で「台湾」の旗を検閲していたことがバグから判明

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
台湾の旗の絵文字が検閲されていた(提供:アフロ)

 アップルが7月10日に配信したiPhone用OS『iOS 11.4.1』にて、『iOS 11.3』から起きていた「Taiwan」や「台湾の旗の絵文字」を入力すると一部の端末がクラッシュしてしまうバグが修正されました。

 このバグはセキュリティの専門家であるパトリック・ウォードル(Patrick Wardle)氏が、台湾の友人から「Taiwan」をふくむメッセージのやり取りをしていたときに判明。その後、調査が行われていました

 ウォードル氏の調べによると、「中国」をふくむ国コードや、もしくは言語が「中国語(CN)」に設定されていると、「台湾の旗の絵文字」を検索して削除するようiPhoneにプログラムされていたとのことです。

 ところがこのプログラムにバグがあり、「Taiwan」の文字列だけで端末がクラッシュするようになったことから問題が発覚。ウォードル氏は調べた結果をアップルに報告したところ、iOS 11.4.1で修正されたという流れです。

 このような中国政府の要求に従う対応を批判する声も多くあがっていますが、アップルにとって中国は重要な市場かつiPhoneの製造拠点であり、昨年は中国のApp Storeで(中国政府にとって問題のある)多数のアプリを削除するなど要求に従っている状況です。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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