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自称小学4年生が作ったサイト『どうして解散するんですか?』、やっぱり嘘。NPO法人代表が謝罪

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
謝罪文に切り替わった元『どうして解散するんですか?』のウェブサイト。

「小学4年生が作った」とのふれこみで安倍政権の解散を問うウェブサイト『どうして解散するんですか?』が、やはり小学4年生ではなく大人が作っていたことが分かりました。

このサイトを仕掛けていたのは、類似ドメインを取得して関係が疑われていたNPO法人『僕らの一歩が日本を変える。』の青木大和(あおきやまと)代表で、青木代表はサイト上と自身のTwitterにて謝罪を表明しています。

皆さんこんばんは。

青木大和です。放送部の中村とは、僕のことです。

まずはじめに皆さんに謝らなければならないことがあります。

10歳の放送部の中村を名乗り、実際は私がリプライ、コメントをしていました。皆さんに嘘をつく形となり、本当に申し訳ありませんでした。

出典:どうして解散するんですか?

青木代表は謝罪のなかで、小学4年生と身分を偽った理由を「僕が小学4年生を自演することで面白いと皆さんに受け止められ、より多くの方を巻き込んだ形で、今回の選挙の意義を語り合うことができるのではないかと考えました」と語っています。

また「今回の行動は僕個人で行ったことであり、どの組織とも一切関係ありません」とNPO法人としての活動ではないことも表明しています。しかしながら、類似ドメインの取得名義や連絡先がNPO法人であるため、「個人としての活動」と認められるかは微妙です。

累計4000万人は勘違いじゃないか?

ただ、ボクが気になるのは謝罪文のなかにある次の文章です。

ウェブサイトが完成すると想像以上に多くの声が寄せられてきました。ポジティブなものもあれば、ネガティブなものまでです。累計4000万人近い人が#どうして解散するんですか?を目にしてくださったことになります。

僕は、これだけ多くの人が社会のことや政治のことを考えていることに少しホッとしました。今の政治は国民との距離がとても開いてしまっているのではないかと感じていました。今回の解散もしかり、その他の問題もしかり。

出典:どうして解散するんですか?

「累計4000万人近い人」とありますが、もしやサイト上に表示されていたあのカウンターの数字を持ち出してきてはいませんか?

あれはツイート数と関係なくものすごいスピードでカウントされていっているだけなので、実際にサイトを目にした人数はそれほど多くないと思われます。

あの数字を本当の数字と思い込み、「これだけ多くの人が社会のことや政治のことを考えている」と判断するのは危ういですよ。

いや~、それにしても小学4年生じゃなくて良かった。あんなスゴ腕IT小学生がいたら仕事なくなっちゃうよ。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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