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地方移住の条件、「教育、医療・福祉などの利便性が高い」地方とはなんぞや?

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
地方とはどこなのか? photo by pakutaso.com

地方の福岡市に住みながらさらなる地方移住を検討しているブロガーの篠原修司です。内閣府が、20~40代は「地方に移住してもよい」が過半数を超えるとの世論調査結果を発表しました。

「地方移住してもよい」20~40代で過半数 内閣府調査  :日本経済新聞

地方移住希望者として気になって読んだのですが、複数選択式の移住条件には驚きの結果が書かれていました。

移住してもよいと答えた人に移住の条件を複数回答で尋ねたところ「教育、医療・福祉などの利便性が高い」が51.1%で最も多く、「居住に必要な家屋や土地が安く得られる」が48.9%で続いた。

出典:「地方移住してもよい」20~40代で過半数 内閣府調査  :日本経済新聞

「教育、医療・福祉などの利便性が高い」地方とは、なんぞや?

利便性が高い地方など存在しない

ボクの住んでいる福岡県は、日本全体から見れば地方です。九州内では「福岡が一番。佐賀は植民地」などと威張っていても、関東圏、関西圏から見ればただの一都道府県と同じかそれ以下でしょう。

で、そんな福岡県の県庁所在地、福岡市に住んでいますが、決して「教育、医療・福祉などの利便性が高い」とは言えません。医療については10年住んでようやく良い病院を見つけられました。でも自宅から車で30分かかります。

教育は、ちょっと困っています。込み入った話になるので省略しますが、子供の希望もあり引っ越しによる転校を検討しています。

福祉はどうでしょう? 一番頼ることになりそうな部分は老いてみないことには分かりませんが、保育所、幼稚園などでは苦労しました。

これがボクの体験している地方です。教育、医療・福祉などの利便性はけっして高くはありません。

政府は地方創生を打ち出していますが、地方とは利便性が低いものです。この世論調査は「地方ってよさそうだよね?」「だよねー」「田舎暮らししたーい」くらいの軽いノリに思えて仕方ありません。

「教育、医療・福祉などの利便性が高い」地方とはいったいどこにあるのでしょうか……。ボクもそんな地方に住んでみたいものです。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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