柳美里さんとの騒動を煽る捏造記事について

作家・柳美里さんとのことはご迷惑をおかけして申し訳ないと思っていますし、近々詳しい説明をアップする予定ですが、その前に、あまりにもひどい状況が横行しているのでそのことを指摘します。

10月31日に柳さんがブログに「篠田さんは、嘘つきです」というタイトルで、2012年の創出版30周年記念パーティーに「柳さんも参加されましたが」と私が嘘を言っていると非難しています。「メディアクリティーク」という業界紙に載った私のコメントを見てそう思い、怒られたようです。

指摘されて仰天しました。柳さんがパーティーに参加していないことは明らかで、そんな明白な事実について嘘を言うなどありえないからです。実は私は柳さんのブログを11月1日の夕方まで見ていなかったのですが、その「メディアクリティーク」を発行する「株式会社出版人」の記者が突然、訪ねてきて、あのくだりは自分が勝手に書いてしまったものだと謝罪しました。来訪前に、下記のメールも届いていました。私信を公開するのはよいことではないのですが、緊急事態で、しかも先方は代表に連絡がとれないと言っているので、事実関係の部分についてのみ引用します。

《創出版 篠田編集長様

柳美里さんの31日付ブログはご覧になりましたでしょうか?この責任は私の方にあります。「『創出版30周年記念&ジャーナリズムを語る会』を開催し、」のあとに「柳美里さんも参加されましたが」という一文は、校了の際に書き加えました。記事の話の流れから、創出版30周年記念の会でこうしたことがあったというのを、読者が、柳美里さんと関係ない話と捉えられないようにと考えたからです。

大変申し訳ありません。柳美里さんのブログにコメント欄があれば、まず、このことを直接説明してお詫びし、篠田さんにも同様にしてお詫びしようと思いましたが、ブログにそうしたものがなかったので、篠田さんの方にご連絡した次第です。お手数をおかけしまして、また、いわれのないバッシングを引き起こしてしまい、誠に申し訳ありません。》

仰天したと書いたのは、実はこの記事のコメント部分は私が確認をし、不正確なところを直したものを返送していたからです。そこまで手続きしたものを編集部が再び勝手に手を入れてしまうというのは、常識としてありえないし、コメント部分が間違っていたとしても読む方は、言った人間が間違ったことを言っているととるのが普通でしょう。ちなみに私が確認して30日の13時40分に送った原稿はこうなっていました。

「2012年6月に『創出版30周年記念&ジャーナリズムを語る会』を開催しましたが、そのときに個人で雑誌を1冊支えるというのは無理なことなので、みんなで支えて続けていく方法はないかという提案があり、原稿料を出資という形に回していただいたり、いろいろなお願いをしました。だから100万円単位で出資をしてくれている方もいるし、連載陣以外でもカンパや出資をいただきました。出資者は50人くらいになっています。いろいろな人にサポートしていただいて雑誌を継続することにしたのですが、ただ、そのサポートのしかたはそれぞれ人によって違います」

ところが実際に発行された「メディアクリティーク」を見ると、「2012年6月に『創出版30周年記念&ジャーナリズムを語る会』を開催し、柳さんも参加されましたが~」となっていました。常識ではありえない「改ざん」「捏造」です。これだと、柳さんも参加していたそのパーティーで説明したはずだと私が言っているように見えます。

この事例はあまりにひどすぎるので、緊急にアップしましたが、この間、同じようなひどい情報が相当流布されています。上記の「メディアクリティーク」も、記事全体としては騒動に便乗して面白おかしく書いたものと言わざるをえません。当方としては事実確認に応じるのは責務だし、正確な情報を伝えてほしいという気持ちから取材に応じたのですが、今回のやり方はひどすぎると言わざるをえません。柳さんとのことはこちらに非があるので謝罪しますし、誠意をもって対応しますが、何を書いてもよいだろうとばかりに事実と離れた事柄を書いているものについては、連休明けにも場合によっては法的措置をとらざるをえないと考えています。

と書いたところで、「出版人」からの正式な謝罪文が届きました。アップします。

先日「出版人」のインタビューをさせていただいた件について、ご迷惑をお掛けしてしまい、申し訳ございません。篠田さんの発言にもなかった「柳美里さんも参加されましたが」という、誤解に基づいた余計な文を入れてしまいました。

これは、ひとえに事実誤認に基づくもので、せっかく発言をチェックしていただきながら、当方が勝手に挿入した過ちでした。

このことで、篠田さま、柳美里さま、読者の方々に多大なご迷惑をおかけいたしました。

この誤報についてお詫びするとともに、すみやかに読者の皆さまに訂正をお伝えし、正しい事実を理解いただくようにいたします。

出版人

特派記者・田辺英彦

編集人・今井照容