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韓国女子バレー双子姉妹“いじめ問題”のその後。被害者を逆告訴?代表復帰は…

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
イ・ダヨン(写真:松尾/アフロスポーツ)

学生時代、いじめの加害者であったことを認めて謝罪し、韓国代表の資格をはく奪された女子バレーの“美人双子”イ・ジェヨンとイ・ダヨンに新たな動きがあった。

なんと、いじめを暴露した人たちを訴えようとしているというのだ。

複数の韓国メディアによると、イ・ジェヨンとイ・ダヨンの双子姉妹は最近、所属チームである興国生命スパイダーズに暴露者に法的対応する意思を明らかにしたという。2人は「暴露の内容は当たっている部分があり、過ちを認め、反省している」としながらも、「実際にしていないことも含まれており、それによる被害が大きい。誤解を正そうと訴訟を準備した」と説明した。

2人が暴露者たちをどんな容疑で告発するのか、また何人もの被害者の誰を相手にしようとしているかは不明だ。しかし2人はすでに、SNSに上げていた手書きの謝罪文も取り下げている。

人気スター選手の“衝撃の過去”

そもそもイ・ジェヨンとイ・ダヨンの学生時代の“いじめ問題”が明らかになったのは、今年2月。とあるオンラインコミュニティに「過去にイ・ジェヨンとイ・ダヨンから校内暴力を受けた」という書き込みが掲載されたことが、きっかけだった。

2人はファッション誌に取り上げられるなど、韓国女子バレー屈指のスター選手であっただけに、その疑惑の浮上は衝撃を与えた。

(参考記事:【写真】「この世の美貌じゃない」韓国女子バレー“美人双子”が雑誌で見せた圧巻ビジュアル

暴露文には「“汚いから”、“臭いから”と、隣に来るなと言われた」「事あるごとにお金を取られ、腹をつねられたり、口を叩いたり、集められて拳で頭を殴られたりした」「両親の悪口を言った」「“任せた仕事をしなかった”という理由でナイフで脅迫された」など、具体的な加害行為が記されていた。

疑惑が浮上すると、興国生命ピンクスパイダーズは2月10日午後、報道資料を通じて「チームに所属するイ・ジェヨン、イ・ダヨン選手の校内暴力と関連して、まずファンのみなさんに失望を与えて申し訳ない」とし、「2人は学生時代の過ちを悔いている」と伝えた。また2人は手書きの謝罪文をSNSに投稿している。

この一連の騒動は、日本のメディアでも詳しく紹介されたため、記憶に新しい人もいるだろう。2人が韓国女子バレーのトップスター選手であったため、“衝撃の過去”の余波はバレー界だけでなく、テレビや広告業界にも及んだ。

また興国生命ピンクスパイダーズは2人に無期限出場停止処分を下し、2人は韓国代表の資格もはく奪された。首位独走で今季の圧倒的な優勝候補だった興国生命ピンクスパイダーズは、主力のイ・ジェヨンとイ・ダヨンが抜けたことで、優勝を逃している。

ネーションズリーグに挑む韓国代表メンバー発表も…

文字通りの大騒動があってから2カ月近くが過ぎ、ようやくメディアにも取り上げられなくなっていた今、蒸し返すように2人が動き出すとは思わなかった。

いじめを暴露した人たちを訴えるという2人の動きに、さっそく反応したのは韓国の体育市民連帯だ。

4月7日に声明を発表し、「反省するという言葉が無意味なほど、突然、いじめの被害者を告訴するというイ・ジェヨン、イ・ダヨン姉妹は、人としての礼儀さえない2次加害行為を直ちにやめるように願う」と強く批判した。また、2人の謝罪文について言及しながら「単に怒った民心を静めるためのパフォーマンス的な目隠し行為であったのか」と問いかけている。

奇しくも同日、韓国バレーボール協会(KVA)は来る5月25日から6月20日にかけてイタリア・リミニで行われるFIVBバレーボールネーションズリーグに参加する女子バレー韓国代表メンバー18人を発表した。

東京五輪に向けた重要な過程となる大会で、キム・ヨンギョンやヤン・ヒョジンらが選出されたのだが、当然ながらイ・ジェヨンとイ・ダヨンの名前はなかった。

いずれにしても、いじめの被害者を告訴するということで再び注目を集めているイ・ジェヨンとイ・ダヨン。その動きは毒にはなっても、薬にはならないと思われるが…はたして。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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