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美女チアリーダーもフル動員。韓国球界が準備する無観客ファンサービスとは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真提供=SPORTS KOREA)

韓国プロ野球がいよいよ開幕する。本日5月5日14時から全10球団による5試合が一斉に行われる。

新型コロナウイルスの影響で日本プロ野球はもちろん、アメリカのメジャーリーグも開幕できていないだけに、一足早くシーズン開幕を迎える韓国プロ野球には例年以上に大きな注目が集まることだろう。

実際、ソウルの蚕室(チャムシル)野球場で行われるLGツインズ対斗山(ドゥサン)ベアーズ戦には「LAタイムズ(アメリカ)、フジテレビ(日本)、NHK(日本)、中日新聞(日本)、日本テレビ(日本)、CCTV(中国)、South China Morning Post(中国)、CNA(シンガポール)などが開幕戦の取材を申し込んだ」(LGツインズ球団関係者談)らしい。

最先端5Gを駆使したオンライン応援

まさに韓国プロ野球に世界各国のメディアも注目しているわけだが、本日行われる開幕5試合はもちろん、当面の間はしばらく無観客で試合を行う。

そのため各球団はスタンドにいなくてもファンが試合を楽しめるようなさまざまな工夫を準備しているらしい。

例えばSKワイバーンズの場合。親会社が通信大手のSKテレコムである強みを生かし、同社が展開するオンライン動画サービス「Wavve」を利用し、計12の視点から試合が楽しめる「5GX 直観野球」というサービスも行われる。

そのSKテレコムのライバル会社であるKT(コリア・テレコム)を親会社にするKtウィズは、数百人単位のファンを球場内のLED大型スクリーンに一度に露出させる世界初のリアルタイム応援イベントを企画しているとのことだ。

韓国では世界に先駆けて次世代通信規格「5G」が商用化されているが、その強みを生かした工夫がなされるわけだ。

厳しい時間を過ごした“球場の華”

そして、こうしたオンライン応援で大活躍しそうなのが“球場の華”と呼ばれる各球団のチアリーダーたちの存在だ。

韓国プロ野球のチアリーダーたちは中にはタレント級の知名度と人気を誇るアイドル的存在も多いが、韓国におけるチアリーダーたちの労働条件は、見た目ほど華やかではない。

(参考記事:“現役女子高生”に“完璧ボディ女神”も!! 「韓国美女チアリーダーTOP10」を一挙紹介!!【PHOTO】

以前、インタビューした韓国No.1チアリーダーのパク・キリャンは、「チアリーダーの給料は経歴によって変わります。私はチーム長なので、月給を受け取れます。でもアルバイトのように、1試合いくらという人も少なくないんです」と話していた。

そんな中で今季は新型コロナウイルスが襲来。もともと3~4月はチアリーダーたちが最も忙しいシーズンだが、新型コロナの影響で冬のスポーツが早期終了となり、プロ野球とプロサッカーの開幕が延期されたことで彼女たちも“強制休息”となった。

『聯合ニュース』によると、チアリーダーたちは仕事がなくなって辞める人が出るほど「厳しい時間」を過ごしたという。なかにはアルバイトや球団の業務を手伝って、危機をしのいだ者たちもいたらしい。

それだけに韓国プロ野球の開幕は、彼女たちにとっても「干天の慈雨」なのだろう。

実際、各球団のチアリーダーたちは開幕戦に向けて練習に練習を重ねてきた。4月21日に開幕が発表された際には、全10球団の人気チアリーダーたちがその応援風景をユーチューブにアップしたほどだ。

チアリーダーたちの役割は?

そんな彼女たちが今日からは当分の間、オンライン応援でファンたちを楽しませるという。

前出のSKワイバーンズは試合中継とは別に、YouTubeライブ放送を開催。応援団長やチアリーダーたちがオンライン応援などでファンとのコミュニケーションを図る総合ライブ放送を準備している。Ktウィズもチアリーダーたちとともにライブ応援を展開するらしい。

いずれにしても、いよいよシーズン開幕を迎える韓国プロ野球。選手、球団関係者、チアリーダー、そして何よりも野球ファンたちが待ち続けた日だけに、明日の韓国スポーツ紙はプロ野球一色に染まることだろう。

冒頭で紹介した世界各国のメディアが韓国プロ野球の開幕をどう伝え報じるかにも、注目しておきたい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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