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サッカーも練習試合がついに解禁、取材もOK。開幕が現実味を帯びてきたKリーグ

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真=FA Photos)

新型コロナウイルス新規感染者の一日の感染者数が一桁台になり、徐々に落ち着きを取り戻しつつある韓国。

先日の中央防疫対策本部に出席した丁世均(チョン・セギュン)首相が「今も現在の社会的距離(ソーシャルディスタンス)を置く根幹を維持しながらも、一部制限については緩和する」とし、「野外スポーツも無観客試合などで危険度を下げることができれば可能だ」としたことでプロ野球やKリーグも再開に向けて動き出した。

プロ野球のKBOリーグは今日4月21日からオープン戦の性格に近い“交流戦”を実施するが、Kリーグを主管する韓国プロサッカー連盟も昨日4月20日に本日からKリーグ各クラブ同士の練習試合の実施を無観客で許可すると発表した。

3月中旬から新型コロナウイルス感染予防と拡散防止のため、韓国プロサッカー連盟は各クラブに他クラブとの練習試合の自制を要請していたが、約1か月ぶりの再開だ。メディアも試合前日までクラブに申請すれば取材可能となる(ただし、1試合につき同時に3人以上の取材が行われないようクラブは調整する)。

また、練習試合のために防疫を徹底せねばならず、選手はもちろん、審判、運営スタッフ、メディアなど試合会場にいるすべての関係者の発熱検査を実施。審判・選手たちの握手などの接触は最小化しなければならない。

徹底した管理のもとで行われることになるが、韓国国内の新型コロナウイルス感染状況が安定し続け、政府が来月5月6日から社会的距離を置く施策の緩和を発表した場合には、観客も受け入れる可能性もある。ネット中継も検討されているという。

新型コロナの拡散が深刻したときは「Jリーグから学ぶべき」と厳しい指摘もあったKリーグだが、サポーターたちにとっても歓迎すべきニュースだろう。

(参考記事:「Jリーグの姿勢を学ぶ必要がある」中断中のKリーグに“発想の転換”求める韓国紙)

いずれにしても今回の決定でKリーグは再開とシーズン開幕に向けて動き出した。

韓国プロサッカー連盟は3月30日、新規感染確認者が40人以内でそれが2週間以上続き、ウイルスが一定水準以上に統制された状態の場合、開幕時期を改めて議論することで意見をまとめていたが、最近はそれが現実になっている。

4月9日から19日まで新規感染者は40人未満が続いており、4月19日には一桁の8人に大きく下落した。昨日も9人だった。開幕時期を調整できる時期に来たわけだ。

今季は開幕が2ヵ月以上遅れたこともあり、1部リーグのKリーグ1はラウンド(レギュラーラウンド22試合+ファイナルラウンド5試合)体制で行われることが有力視されているKリーグ。

早ければ今週中には韓国プロサッカー連盟の理事会が開催され、開幕日も決まるかもしれない。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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