NO JAPANの余波に新型コロナウイルス直撃のKリーグと韓国プロ野球

昨季のACLで浦和レッズと対戦した全北現代(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

Jリーグではすでにキャンプ真っ只中で、プロ野球も2月1日から春季キャンプが始まる。来るべき新シーズンの開幕に向けて各チームが準備に余念がないが、それは韓国も同じだ。

韓国ではサッカーのKリーグが3月1日、プロ野球のKBOリーグが3月28日に開幕するが、すでに多くのチームが“チョンジ・フンリョン”モードだ。チョンジ・フンリョンを漢字にすると「転地訓練」。日本で言うところの“キャンプ”と同じ意味だ。

「NO JAPAN」の影響で日本キャンプが激減

だが、今年は従来とは異なる“転地訓練”シーズンになっている。

例えばKリーグだ。Kリーグは1部リーグのKリーグ1、2部リーグのKリーグ2で合計22クラブが1月上旬から第1次キャンプを開始しているが、今年は第1次キャンプ地として日本を選ぶところがひとつもなかった。

2月1日から春季キャンプが始まるKBOリーグでも変化がある。

韓国球団の多くが沖縄でのキャンプを恒例としており、昨年は10球団中7球団が沖縄でキャンプや練習試合を行っていたことから「まるでKBOリーグならぬOKINAWAリーグだ」とも呼ばれていたが、今年のキャンプインを沖縄で迎えるのはサムスン・ライオンズ(2月1日〜3月)だけとなっている。

こうした変化の背景には、昨年夏頃から韓国で始まった日本製品不買運動や日本旅行をボイコットする動きが関係しているのは言うまでもない。韓国スポーツ界も「NO JAPAN」の空気を無視できなかったわけだ。

(参考記事:バッドにスパイクまで広がる日本製品不買運動、韓国スポーツ界の本当のジレンマ)

そのため、Kリーグの場合、昨年は鹿児島に1か月近く滞在した全北現代(チョンプク・ヒョンデ)が、今年はスペインで第1次キャンプを行っている。

昨年の第2次キャンプを御殿場で行った城南(ソンナム)FCも、今年は韓国国内で第2次キャンプを実施予定。現時点(1月30日)で日本でのキャンプ実施を明らかにしているKリーグのクラブは、FCソウルだけなのだ。

タイに向かったKリーク勢

ならば、そのほかのKリーグのクラブはどこでキャンプを行っているのか。

スペインの大田(テジョン)シチズン、トルコの安山(アンサン)グリナス、ベトナムの全南(チョンナム)ドラゴンズ、UAEの水原三星(スウォン・サムスン)などさまざまだが、もっとも多いのが東南アジアのタイだ。

昨年は宮崎でもキャンプを実施した蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)など、Kリーグ1の12クラブ中7クラブ、Kリーグ2の10クラブ中6クラブがチェンマイ、チョンブリー、バンコク、ブリラムでキャンプを実施している。

「経費面で日本よりも安くて気候も暖かく練習環境も良くなっていること」がタイ人気の理由のようだが、予期せぬアクシデントで変更を余儀なくされているクラブもある。

新型コロナウイルスで予定変更も…

例えば江原(カンウォン)FCだ。

タイでの一次合宿を終えて1月27日に帰国した江原FCは、2月2日から中国・広州での2次キャンプを予定していたが、新型コロナウイルスの影響で急遽、中国での2次キャンプを中止することを決めた。

また、1月6日から中国の昆明で1次キャンプ中だった大邱(テグ)FCも、選手たちの健康面を考慮し予定を切り上げている。当初は昆明から上海に移動して2月13日まで中国でキャンプを行なう予定だったが、帰国の準備を進めている。

体力トレーニング中心の第1次キャンプもさることながら、練習試合など実戦重視の第2次キャンプの変更を余儀なくされてしまったのだから、頭が痛いところだろう。

ちなみにサムスン・ライオンズを除いたKBOリーグの各球団はアメリカやオーストラリアで第1次キャンプを行なうものの、斗山ベアーズ(宮崎・2月23日〜3月8日)、LGツインズ(沖縄・2月26日〜3月)など第2次キャンプを日本で行なう球団もある。

Kリーグでも現時点では全北現代、水原三星、蔚山現代が2次キャンプの予定を明らかにしていないだけに、FCソウルのように短期間でも実戦練習の相手を求めて日本に来るクラブもあるかもしれないが、はたして。

いずれにしても日本製品不買運動に新型コロナウイルス問題などで、例年とは異なりドタバタが多い韓国スポーツ界のキャンプ・シーズン。肝心のシーズンに悪影響を及ぼさなければいいのだが。