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元祖美人姉妹も5年ぶり復帰の韓国。女子バレー東京五輪出場権を手にするのはどこか

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
イ・ダヨンも出場している。(写真:松尾/アフロスポーツ)

昨日からタイでは東京五輪の男子サッカー出場権を兼ねたU-23アジア選手権が開幕したが、タイではもうひとつ、東京五輪への出場切符をかけた戦いが行われている。

女子バレーボールの東京五輪アジア予選だ。

開催国タイをはじめ、カザフスタン、イラン、インドネシア、オーストラリア、香港、インド、韓国など8か国がA組とB組に分かれたグループリーグを行ったあと、各組の上位2チームが決勝トーナメントに進出。トーナメントを勝ち上がった1か国のみが東京五輪への出場権を手にすることができる。

上位進出最有力は、世界ランキング9位の韓国だろう。

アジアでは日本(7位)に次ぐ順位にあり、スーパーエースのキム・ヨンギョンも健在。プロリーグのVリーグも盛んで、今回の予選メンバーには昨季VリーグMVPのイ・ジェヨンをはじめ多くのスター選手が顔を揃える。

イ・ジェヨンの双子の妹で日本でも“美女セッター”として話題になったイ・ダヨンはもちろん、韓国女子バレー界の元祖美人姉妹のハン・ソンイが5年ぶりに代表復帰した。

ハン・ソンイは2012年ロンドン五輪にも出場するなど、日本との試合も数多く経験してきた人気選手なので、覚えている方々も多いことだろう。

(参考記事:“Vリーグ女神”に“美人姉妹”、日本との因縁も。韓国美女バレー選手ベスト6を一挙紹介【PHOTO】)

ただ、韓国としては後がない状況だけに当然か。

昨年2月、韓国女子バレー史上初の外国人監督としてイタリア出身のステファーノ・ラバリニ監督を招聘したが、8月にロシアで行われた東京五輪・大陸間予選では最終戦でロシアに競り負けて出場切符を逃してしまった。

そのため、東京五輪への出場切符を手にするためにはアジア予選を1位で通過するしかない。韓国は昨年12月19日から国内Vリーグを一時中断し、代表選手たちを招集して強化合宿を行ってきた。

ただ、ラバリニ監督はイタリアのブスト・アルシーツィオのコーチも兼任している関係で、チームに合流したのは12月28日。そこから急ピッチでチームを仕上げて、1月5日にはタイに向けて出国し、決戦に備えてきた。

そうして迎えた1月7日の初戦では快勝。世界ランキング117位のインドネシアにセットカウント3-0(25-18、25-10、25-9)で勝利して幸先の良いスタートを切った。

昨日8日のイラン(世界ランキング39位)戦でもセットカウント3-0(25-15、25-9、25-19)で2連勝。今後も9日にカザフスタン(世界ランキング23位)と格下との対戦が続くだけにグループリーグ突破はまず間違いないだろう。

そんな韓国の最大のライバルとなりそうなのが、開催国のタイだろう。世界ランキング14位のタイとは準決勝か決勝で対戦する可能性が高いが、韓国は近年、タイに苦戦してきた。

2018年アジア大会では準決勝ではセットカウント1-3で敗れ、昨年のネーションズリーグでもセットカウント1-3で敗れているのだ。

2012年ロンドン五輪、2016年リオデジャネイロ五輪と2大会連続でオリンピック出場を果たしている韓国だが、鬼門タイを下さなければ東京五輪のコートに立つことはできない。

はたしてアジア予選を勝ち抜いて東京五輪への出場切符を手にするのは韓国か、タイか、はたまた第三の存在か。

日本が開催国枠で、中国(世界ランキング1位)が大陸間予選で五輪出場を決めている中、アジアから東京五輪に名乗りを上げるチームはどこか。注目しておきたい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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