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憧れのアイドルを完コピするだけじゃないK-POPカバーダンスの世界とは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真提供=『KP SHOW』実行委員会)

日本初のK-POP専門ダンス・スクール『Dance Studio Cielo』を東京都内で主宰する町田真吾氏。目黒区と渋谷区にスタジオがあるが、現在、多くの会員が登録されおり、幅広い層がK-POPダンスを学んでいるという。

また、単にダンスを教えるだけではなく、K-POPカバーダンス・イベント『KP SHOW!』にも関わっている。K-POPカバーダンス愛好者たちが数多く参加するこのイベントでは、どんなことが起きているのだろうか。

―町田さんは『KP SHOW!』などのイベントにも関わっています。具体的にはどういったイベントなのでしょうか。

「一言で言えばK-POPカバーダンスのお祭りです。スクールの開設当時から、受講生たちが練習の成果を発表する場は必要だと思い、当初は発表会形式をイメージしていました。

ただ発表会も良いのですが、色々なカラーが集まった方がお客様も面白いはず。そこで一般のダンスチームも募集して、ダンス・イベントという形になりました」

―K-POPのカバーダンス・イベントは、アメリカやヨーロッパでも盛んだそうですが、『KP SHOW!』はどれくらいの頻度で行われているのですか?

(参考記事:【韓流のいま】BTSが切り開いたアメリカの韓流、そしてヨーロッパへ

「ライブハウスなどを借りて年に3回実施しており、今年の2月で20回目を数えました。1回の開催でおおよそ5〜60組ほどにご出演いただいています」

―ダンス・ブームの今、多くのイベントが開催されていますが、K-POPならではの特長はありますか?

「一般的なダンスイベントと異なるのは、コピーの魅力や美学もあることですね。ダンスのクオリティだけでなく、いかに本人たちに近づけるかを追求するチームも沢山いらっしゃいます。振り付けだけではなく、衣装に髪型、さらには憧れのアイドルが出演した特定ステージでの仕草や咳払いまで、忠実に再現する。写真や動画などを見て徹底的に研究しているんです」

(参考記事:韓国カメラが撮った東方神起。キュートな笑顔にキレッキレのダンスも!!【PHOTO】

―かなり徹底しているんですね(笑)。

「有名なチームになると固定ファンもいらっしゃって、会場まで足を運んで応援してくださいます。本人のファンのお客様であれば、“あの動きは〇△公演での動きだ”と熟知しているので反響も凄い。まるで本物のアイドル・コンサートのような盛り上がりですよ」

―K-POP専門のダンス・スクールにK-POPのカバーダンス・イベントまで。この10年近く、さまざまなシーンをご覧になられてきたと思いますが、日本だけのK-POPダンス・ファンの特長とかあるのでしょうか。好みの違いだったり、傾向だったり。

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町田氏(撮影協力:スポーツソウル)
町田氏(撮影協力:スポーツソウル)

「当然ながら、ほとんどが“K-POPが好き”という共通点があるので、スクールでもイベントでもコミュニティが次々と生まれますよね。レッスンで初めて出会って意気投合したかと思えば、レッスン後にもロビーでお菓子を食べながら“先月のライブに行った” ですとか、談笑している姿をよく見かけます。

普通のダンス・スクールでは、なかなかすぐにそうはいきません。友たちがすぐできるから、レッスンもより楽しい時間になりますし、気の合う受講生同士で韓国に旅行に行ったという話もよく聞きますから。こちらも嬉しくなります」

そう言いながら嬉しそうな笑顔を見せた町田さん。ただ、K-POPダンス・ブームは今、数年前には考えることもできなかった新しい動きもあるという。それについては次回に紹介したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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