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「軍隊は疑惑芸能人の避難所か」BIGBANGのV.I、電撃入隊でも非難殺到しているワケ

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
渦中の人物となってしまったBIGBANGのV.I(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

日本でも人気を誇るK-POPグループBIGBANGのV.Iが、突然の軍入隊を発表して物議を醸している。

韓国では18歳以上の男性に兵役が義務付けられているため、芸能人といえども入隊は当たり前のこと。むしろ激励の言葉が寄せられても良いものだが、激励どころか非難が殺到している理由はV.Iが現在、さまざまな疑惑に包まれているからだ。

(参考記事:BIGBANGのV.Iの“軍入隊”に非難が殺到!! 「兵役で捜査から逃れようとしている」

先日も紹介した通り、V.Iは自身が経営に参加していたナイトクラブを震源地とする暴行、大麻吸引および流通、投資家への性接待といったあらゆる疑惑をかけられている。2月27日には自ら警察に出頭し、8時間を超える取り調べを受け、すべての疑惑を強く否定した。

そんな彼が突然、3月25日付で入隊するというから世間が納得しないのも無理もない。しかも、今年1月にソウル地方警察庁の義務警察選抜試験で“運転兵特技者”に応募していたが、「もし合格してもそれを放棄し、陸軍として現役兵入隊をする」というのが所属事務所の発表だった。

所属事務所は現役兵入隊の理由として「不必要な誤解を避けるため」としたが、それが「義務警察に合格することは決まっていたが、仕方なく放棄することにした」というニュアンスで受け止められてしまい、疑問を感じた人も少なくないようだ。

ネットには「合格しても行かない?そもそもなんで志願した?」「コンサートの追加公演をやろうとしていたのに、いきなり入隊?」「こんなにすぐ入隊できるものなら、もっと早く行ってほしかった」など皮肉めいた声がたくさん寄せられている。

韓国ではさまざまな理由で兵役免除となった俳優・タレント・アイドルも多いが、「正当な理由による兵役回避よりも卑怯」「軍隊は疑惑芸能人のための避難所ではない。逃げるな」との厳しい意見も出ている。

(参考記事:「えっ、そんな理由で?」兵役を免除された20人の韓国芸能人を一挙紹介

近年、韓国の芸能人がいきなり入隊を発表する傾向にあるのは事実だ。

かつてはメディアでも入隊までのカウントダウン報道がなされたり、訓練所入隊日は記者やカメラマンはもちろん、ファンまで駆けつけて入所式が大規模な送別会のようなものにもなった。

だが、最近は芸能人の入隊にそれほど大騒ぎする必要はないという雰囲気もあって入隊当日も静かに過ごそうとする動きに変わっている。芸能人たちも必要以上に目立つこと嫌い避ける傾向にある。

(参考記事:兵役チャン・グンソク「出待ち禁止」と「違反者は出入り禁止」の背景と妥当性とは?

例えば、人気俳優チャン・グンソクの場合、入隊を10日前に控えて発表、入隊当日も時間や場所などの情報を一切公開していない。俳優ドンハは入隊を4日前に控えて発表し、世間を驚かせた。

ただ、V.Iのように疑惑が浮上して炎上する真っ最中に突然の入隊発表をすると、歓迎されないものでもある。

過去にも日本でも人気を博した歌手兼俳優のキム・ヒョンジュンが元恋人への暴行および妊娠騒動で揺れる中、2015年5月に入隊。

CNBLUEのジョン・ヨンファが大学院の“裏口入学”疑惑で、炎上の最中に入隊を発表。俳優イ・ソウォンは、強制わいせつ・脅迫の疑いに対する裁判が行われる途中に突如入隊してしまい、世間から厳しい視線を向けられた。

続報によると、韓国兵務庁の関係者は「捜査の過程でV.Iの疑いが認められる部分があれば、兵務庁から入隊を延期することが可能だ」と明かしている。

V.Iのほかにも、G-DRAGON“昇格問題”や、何かと問題が絶えないBIGBANG。一昨年のT.O.Pの麻薬吸引などでもそうだったが、このままだと世間から“お騒がせグループ”のレッテルを貼られてしまうのも時間の問題だ。もともとアーティスト性が高く、影響力も絶大なだけにそれだけは避けてほしいと願っているのだが、はたして。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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