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「日本には負けない!!」美女選手に“孝行種目”…アジア大会2位目指す韓国の腹積もり

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
キム・ヨンギョン(写真:田村翔/アフロスポーツ)

今日8月18日からインドネシアで開幕するアジア大会。今回で17回目となるアジア大会には、45カ国・地域が参加し、40競技465種目で争われる。

男子・女子サッカーやバスケットボールをはじめ、すでに競技が始まっている種目もあるが、アジア大会に注目しているのは、韓国も同様だ。

メディアでは韓国の歴代成績や各種目の選手たちの準備状況が取り上げられており、大きなスポーツイベントでは恒例となっている“美女アスリート”を取り上げるメディアも数多い。

(参考記事:【画像】アイドル並みの人気と美貌!? アジア大会を盛り上げる“韓国7大美女アスリート”

アーチェリーに女子ゴルフ。“ヒョジャ”種目に注目

メダル獲得に期待が寄せられている種目も少なくない。

例えば、アーチェリーだ。

アーチェリーは、五輪でのメダル獲得数も世界トップ(正式種目になった1972年ミュンヘン五輪以来、金23個、銀9個、銅7個を獲得)で、韓国では「(国に)孝行している」という意味を込めて“孝子(ヒョジャ)種目”と呼ばれることもある。

それだけに、ジャカルタ・アジア大会でもアーチェリーの注目度は高い。現在世界ランキング1位を走っており、美しいルックスも相まって“アーチェリー女王”の愛称で親しまれるチャン・ヘジンなどは、個人戦、団体戦、男女混合の3冠達成が期待されているほどだ。

そのほか、ボーリングや女子ハンドボール、ゴルフなども“孝子種目”とされている。

特に女子ゴルフは、2002年の釜山(プサン)アジア大会から3大会連続で団体戦金メダルを獲得してきた。前回の仁川アジア大会ではタイに敗れ銀メダルに終わったため、今回は前回の雪辱を晴らし、ふたたび王座に返り咲くことを狙っている。

今大会の代表に選ばれたのは、日本と同じく高校生ゴルファー3人(イム・ヒジョン、ユ・ヘラン、チョン・ユンジ)。

前回大会で当時女子高生ながら個人戦金メダルを獲得し、“韓国女子プロゴルファー神セブン”にも選ばれているパク・キョルはプロとなったため今大会に出場しないが、ファンとメディアは女子高生ゴルファー3人が雪辱を晴らすことを期待している。

(参考記事:イ・ボミとキム・ハヌルだけじゃない!! 韓国美女ゴルファー“神セブン”は誰だ!?

「男女最高のスター」も人気

スター性という意味では、女子バレーボールのキム・ヨンギョンと男子サッカーのソン・フンミンが人気だ。

韓国のスポーツ新聞『スポーツ・ソウル』などは、「アジア大会を彩る男女最高のスター、ソン・フンミンとキム・ヨンギョン」と特集記事を掲載したほどだ。

キム・ヨンギョンは、韓国はもちろん、日本のVリーグ、欧州チャンピオンズリーグでもMVPを獲得し、“100年に一人の逸材”ともいわれる選手。その美貌も相まって絶大な人気を集めている。

(参考記事:【画像】アイドル並みのかわいさ!? 韓国美女バレー選手“ベスト6”が美しすぎる!!

また、プレミアリーグのトッテナムでプレーし、A代表でも絶対的エースとして活躍する男子サッカーのソン・フンミンは、オーバーエイジ枠で出場(大会規定はU-23+オーバーエイジ枠3人)する。

以前にも紹介した通り、韓国の選手はアジア大会で金メダルを獲得すれば、韓国の成人男子に義務付けられている約2年間の兵役が免除となる(韓国には、五輪でのメダル獲得など、国際大会で一定の成果を挙げたスポーツ選手の兵役が免除となる制度がある)だけに、ソン・フンミンのプレーと男子サッカー代表の成績には、メディアもファンも大きな関心を寄せている。

一方、南北合同で出場する競技があるのも、今大会の特徴だろう。

4月の南北首脳会談で発表された「板門店宣言」に南北合同での参加が明記され、最終的に女子バスケットボール、カヌー、ボートの3競技が南北合同で出場することになった。

今年2月の平昌冬季五輪の際は、急きょ女子アイスホッケーの南北合同チームが結成されさまざまな波紋を呼んだが、今回は準備期間も比較的長かったため、大きな混乱は起こっておらず、韓国でも応援ムードが広がっている。

日本を意識し警戒

“孝子種目”をはじめ、代表選手たちに大きな関心を寄せる韓国。

アジア大会への期待度の高さがうかがえるだろうが、特筆すべきは、韓国が日本を意識していることだろう。

韓国は今大会、39の種目に807人の選手が出場するが、大韓体育会が掲げた目標は、65個以上の金メダルを獲得し、総合2位に入ること。

9大会連続で総合1位を記録している中国を上回ることは難しいという考えだが、この目標が達成されれば、韓国は1998年のバンコク・アジア大会から6大会連続で総合2位を記録することになる。

そして、その目標達成において、ライバルとして挙げられているのが日本なのだ。

これまでもスポーツの国際大会が開催されるたびに韓国は日本を意識し自国と比較してきたが、それは今大会でも変わらない。男子サッカーをはじめ、現時点では直接対決が予定されていない競技でも、日本代表チームを警戒し分析するメディアもあるほどだ。

(参考記事:「世代交代は進んでいないが…」アジア大会に臨む日本を韓国メディアが警戒!!

大韓体育会のイ・ギフン会長も、アジア大会を控えて行われた記者会見でこう語っている。

「2位から順位を落とさないことが目標だ。日本は2020年の東京五輪を見据えて多くの投資をし、実力も上がっている。それでも我々はベストを尽くし、2位の座を守る」

アジア大会で、日本を上回り総合2位に入ることを目標に掲げる韓国。メディアとファンから大きな関心が集まるなか、はたしてその目標を達成することができるか注目だ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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