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綾瀬はるか主演ドラマ『義母と娘のブルース』が実は韓国でも意外な注目を集めている!!

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
写真=『義母と娘のブルース』公式HP

綾瀬はるか主演のドラマ『義母と娘のブルース』(TBS系)が、じわじわと話題になっている。

初回11.5%でスタートした平均視聴率は、先週の第5話で13.1%に上昇。本日14日に放送される第6話からは数年後を描く第2章に突入するということで、期待はさらに高まっているが、実はこのドラマ、韓国でも放映されていることをご存知だろうか。

韓国では現在、女性向けのケーブルチャンネル「TRENDY」にて毎週日曜日に放送されているのだ。

『逃げ恥』と同じように注目!?

韓国でも人気の高い綾瀬はるかと竹野内豊、佐藤健が出演するだけでもポイントは高いが、斬新な設定、スピーディーな展開、コミカルさなどが揃って、ドラマ『逃げるが恥だが役に立つ』と同じように、リアルタイムで韓国の日本ドラマ・ファンたちの評判を得ているようだ。

(参考記事:ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』が実は韓国でも注目されているワケ

すでにご存知の通り、綾瀬が演じる33歳の優秀なキャリアウーマンが、妻と死別した子持ちのサラリーマン(竹野内豊)と偽装結婚し、仕事をやめて専業主婦になる、というのが大まかなストーリーになっている。

これだけ聞いてはかなり荒唐無稽な話だと思ったが、コミカルかつハートウォーミングに描かれていく新たな母子像に、韓国の日本ドラマ・ファンたちも引き込まれてしまったのかもしれない。

というのも、古今東西を問わず、義母を題材にした物語は数えきれないほどたくさん存在する。しかも、『シンデレラ』に代表されるように、義母キャラクターのほとんどが実子ではない子供を虐待するという共通点があるのも、興味深いところだ。

韓国で朝鮮王朝時代から読み継がれてきた『コンジパッチ』『薔花紅蓮伝』といった昔話を見ると、義母は主人公を死ぬほど働かせたり、濡れ衣を着せて殺したりするとんでもない悪事を働く。

現在、NHK総合テレビで放映中の韓国時代劇ドラマ『オクニョ 運命の女(ひと)』でも憎き敵役となって劇中ではとんでもない悪事を働くチョン・ナンジョンも、その端的な例だ。

韓国では義母のことを「継母(ケモ)」と言うのだが、「継母=悪人」というニュアンスが強いため“新しいお母さん”、“義理の母”など、わざわざ長い言葉に置き換えるほどだ。韓国の知人から聞いた話では、一生懸命育児をする母親がもっとも傷つく瞬間は「継母」と冷やかされるときらしい。

日本のリメイクドラマが多い韓国、義母は悪役

現代に入っては数多くのドラマや映画が、継母を悪役として描いており、もはや「悪役といえば継母」という印象だが、その悪役キャラが現実に現れることも少なくない。韓国では日本のドラマも多数リメイクされているが、悪役の設定が継母となっていることもある。

(参考記事:【最新版】韓国でリメイクされた日本のドラマを一挙紹介。えっ、あのドラマまで!?

そのせいだろうか、義母による事件が起こると、メディアはやけに大きく取り上げ、世間の関心も高くなる。

実際に、2015年には40代の義母が小学3年生の娘に約3年間水責めをはじめあらゆる虐待行為をした挙句、「自殺しろ」と言いながらベランダから投げ落とそうとした事件があった。

今なら“国民請願”で叩かるだろうが…

ところが、加害者に下された刑罰は懲役1年で、ネット上には「刑罰が甘すぎる」との怒りの声が殺到。もし同じような事件が今ごろ起きたのなら、韓国政府運営の「国民請願」にもっと厳しい刑罰を求める書き込みが投稿されたに違いない。

(参考記事:「人気女優の死刑要求」に日本人による過激投稿まで… 韓国の“国民請願”サービスとは?

このように、あまり良いイメージのない義母。だからこそ、韓国も『義母と娘のブルース』が扱う題材とテーマに関心を寄せているのではないだろうか。

「血は水よりも濃い」というが、近年、血の繋がりのない家族の形を描く作品が増えている。『逃げ恥』が変わってゆく新たな結婚観を示してくれたように、『義母と娘のブルース』は新たな母子像・家族像を考えさせるきっかけになるかもしれない。

今日から始まる第2章が楽しみだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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