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美ボディ女優リュ・セビが思うこと。「日本と韓国の“筋トレ女子”の違いは…」

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
リュ・セビ(写真提供=SPORTS KOREA)

2016年1月に“奇跡のDカップ女神ボディ”ユ・スンオクがバラエティ番組に出演したことをきっかけに、体を鍛える女性が急増している韓国。

ユ・スンオクの登場以降、「けしからん体つき!!」と騒がれたチェ・ソルファや、日本のバラエティ番組でも取り上げられたイ・ヨンファなど、数多くの“マッスル美女”たちがテレビや雑誌に引っ張だこになっている。

(参考記事:韓国メディア選定!! 「マッスル・クイーンTOP10」は誰だ!?

今年1月に韓国の文化観光部(日本の文部科学省に相当)が発表した『2017年国民生活体育・参与実態調査』でも、「もっとも行っているスポーツは?」という問いで、3位に「ボディビル」がランクインしたのだから、その盛り上がりがわかるだろう。

そんな韓国の“マッスル・ブーム”をリュ・セビはどう受け止めているのだろうか。

“韓国の釈由美子”が見るフィットネス人気

というのも、彼女はドラマや映画に出演する女優でありながら、その鍛え上げられた美ボディが関心を集め、最近はフィットネス専門誌の表紙モデルにも抜擢されている。

(参考記事:【画像】韓国の釈由美子!? “美ボディすぎる女優”リュ・セビの「際どい水着グラビア」が公開!!

女優にして筋肉女子という点で日本の釈由美子や大政絢とも共通しているし、ある意味で女性たちからも憧れる対象だ。

芸能界で活躍しながらマッスル美女としても知られているリュ・セビは、体を鍛える女性たちが増えている韓国の状況をどう見ているのか。

リュ・セビは、「女性たちが目指すスタイルが変わりましたよね」と話す。

「これまでは、ただ痩せていることを目指す女性が多かったと思うんです。私もその一人でした。断食専門のクリニックに通っていた時期もあったほどです。

でも今は、多くの女性が引き締まった体を作ろうとしている。テレビなどでフィットネス・タレントが取り上げられることが増えたことで、“筋肉があってもかわいいんだ”という認識が広まったこともその理由の一つではないでしょうか」

実際、韓国では“脱アジア級スタイル”のレイヤンが人気オーディション番組『プロデュース101』でフィットネス・トレーナーを務めるなど、フィットネス・タレントたちのメディア露出が増えている。

こうした“マッスル美女”たちの存在が一般にも知れ渡ったことで、「痩せる」ことだけに偏りがちだった女性たちの意識が変化したということだろう。

SNSには日本のファンの書き込みも

ただ、釈由美子をはじめ、“美ボディ自慢”の芸能人が増え、“筋トレ女子”や“腹筋女子”が増えているのは日本も同様だ。

せっかくなので、日本でも体を鍛える女性が増えていることをリュ・セビに伝えると、「たしかに私のSNSにも日本から反応があるんですよ!」と食いついてきた。

リュ・セビのSNSは韓国で人気が高く、トレーニング写真などを挙げると「見事なリンゴ尻」などとニュースになることもあるほどだが、日本にもファンがいるということには驚いた。

(参考記事:ぴたぴた衣装で“リンゴ尻”を強調。新人マッスル美女リュ・セビのSNSがスゴい!!

「トレーニングの写真や動画をアップすると、コメントをくれたり、リポストしてくれたりするんです。言葉がわからずコミュニケーションを取れないのは残念ですが、日本でも体を鍛える人が増えているのは素晴らしいことだと思います」

日本にはもともと関心を持っていたという。以前インタビューした“上位1%の神ボディ”のイェ・ジョンファなども「ポケモンと村上春樹好き」であると話していたが、リュ・セビも日本好きであると明かしたのだ。

「実は、日本には旅行にも行ったことがあって、良い印象があるんですよ。福岡の天神を訪ねたのですが、一蘭というラーメン屋に入ると、まるで読書室みたいな仕切りの付いたカウンター席でびっくりしました。でも、ラーメンはすごくおいしくて、“カエダマ”と言うんでしたっけ? 2回も麺をお替わりしちゃいました。

そんな日本でフィットネスへの関心が高まっていると知ると、なおさらうれしい。韓国と同じように、これからもっとボディメイクに興味を持つ人が増えるといいですね」

「心にも筋肉が付く」

日・韓両国で体を鍛える女性が増えていることをポジティブに受け止めていることが伝わってきたが、その理由について訊くと、リュ・セビは「運動のすばらしさを日々実感しているからです」と答えた。

「運動は、美しい肉体を作るだけでなく、生活の“質”を上げることにもつながると考えています。なぜなら、効率よく体を鍛えようとすると、食事や生活習慣にも気を付けるようになるからです。

体を回復させるために、睡眠もきちんと取らなくてはいけないし、暴飲暴食も避けなければならない。すると、夜遅くまで遊び歩いたり、お酒でストレスを発散したりすることも減ると思うんですよ」

実際にリュ・セビ自身も、運動を始めたことでストレスから解放され、女優の仕事に良い影響が表れているという。

「私はもともと精神的に強い方ではなくて、憂鬱になってしまうことも少なくなかったのですが、運動を始めてから、とってもポジティブになれた気がするんです。

ストレスをため込んでいたら、良い演技もできない。お酒を飲んで現場に行くなんて、もってのほかですよね。でも今は、つらいことがあっても運動で解消できているので、これまでよりも仕事を楽しめています。

トレーニングをするときは、全身で感情を爆発させられるので、心も体もすっきりする。泣きながらウェイトトレーニングをしたこともあるぐらいですよ(笑)」

このインタビューの第1回では、韓国最高峰のフィットネス&ボディビル大会『マッスルマニア』で入賞して以降、ドラマ出演など仕事のオファーが増えたと話していたが、体を鍛えることによって、内面にも良い影響が現れているということだろう。

インタビュー中のリュ・セビ(撮影=S-KOREA編集部)
インタビュー中のリュ・セビ(撮影=S-KOREA編集部)

「人生には、つらいことも多いじゃないですか? そんなときに自分を支えてくれるのが、運動だと思うんです。

私も体を鍛えたことで強くなれました。ちょっとしたことで揺らぐことがなくなったし、仕事もうまくいくようになりました。

トレーニングをすると、不思議なことに心にも筋肉が付くんですよね。そんな運動のすばらしさを、もっとたくさんの人に感じてもらえたらうれしいですね」

日本と同様に“筋トレ女子”が増え、フィットネスへの関心が高まる韓国で、“美ボディすぎる女優”として注目を集めるリュ・セビ。

体を鍛えたことで本業でもチャンスを掴んだ“韓国の釈由美子”が、今後も美のアイコンとして、韓国の筋トレ・ブームを盛り上げていくことを期待したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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