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美女たちが火花散らす韓国の美の祭典「ミス・コリア」の地域予選開始。失墜気味の権威を克服できるか

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
ミス・ユニバース韓国代表のキム・ジェニもミス・コリア出身ではない(写真:Shutterstock/アフロ)

韓国を代表するミスコンといえば、「ミス・コリア」だろう。5月はミス・コリアの季節と言えるかもしれない。

というのも、2018年ミス・コリアの地域予選は4月7日の慶尚北道(キョンサンブクド)や4月17日の釜山・蔚山(ウルサン)といった地域から始まっているが、ほとんどの地域が5月に入ってから行われる。

5月1日の済州(チェジュ)、5月7日のソウル、5月18日の忠清北道(チュンチョンブクド)などと韓国各地はもちろん、海外でもフィリピン(5月8日)、アメリカ(5月31日)、中国(5月31日)などで開かれる。日本でも5月20日に東京で地域予選が行われる予定だ。

頂上決戦「ミス・コリア選抜大会」へ向けて

そういった地域予選を経て地区別代表が決まり、その後に「ミス・コリア選抜大会」がある。

今年は7月4日に開催。本大会といえるミス・コリア選抜大会では、ドレス姿や水着姿でその美貌や知性を競い合い、優勝した者が「ミス・コリア眞(ジン)」となる。

(参考記事:ゴージャス撮20連発!! 第60回ミス・コリア選抜大会の麗しき受賞者たち

といっても、その道のりは険しい。5月に多くの場所で行われる地域予選を勝ち上がるのも簡単ではないのだ。

ミス・コリア地域予選の現実

例えばミス・コリアを主催する韓国大手新聞社『韓国日報』は、4月28日に行われた大邸(テグ)予選の一次審査の様子を紹介していた。

それによると、候補者39人が5時間にわたってウォーキング、自己紹介、審査員との一対一のインタビューなどを行ったという。審査員の顔ぶれを見ると、弁護士や企業家、過去のミス大邸などなど。

その一次審査を通過した18人が合宿などを行い、5月26日に行われる地域大会を通じて、大邸の代表者を決めるというわけだ。

「ミス・コリア出身」と強調されるワケ

これほどまでに競争が激しいミスコンだけに、勝ち上がった者たちはたとえそれが地区大会であっても「ミス・コリア出身」ということがひとつの肩書になる。韓国では何かと「ミス・コリア出身」として紹介するケースが少なくないのだ。

芸能人はもちろん、一躍有名人になった場合は、特にその傾向が強い。

例えば、先日行われたフィットネス&ボディビル大会で最高の権威を誇る『2018 MAXQ マッスルマニア・オリエンタルチャンピオンシップ』のミズ・ビキニ賞で優勝し、一夜にしてスターとなったキム・クネも、「ミス・コリア出身」という経歴の持ち主だった。

(参考記事:【激撮24時!!】ミス・コリア出身キム・クネ、美しすぎるボディで2018年マッスル・クイーンの座へ!!

そのため韓国メディアも「“ミス慶南出身”キム・クネ」と報じていた。

他にも、フィットネスモデルで最近は女優としても活躍してさらに人気上昇中の“脱アジア級スタイル”レイヤンも2007年ミス・コリア釜山大会の入賞者。またラウンドガールとして人気を集めているヨン・ハンビもミス・コリア大田大会の入賞者だ。

ただ、そんなミス・コリアも以前に比べて「権威が落ちた」という指摘も少なくない。

ミス・コリアの権威が失墜?

過去には「ミス・コリア眞」に選ばれた者がアメリカで行われるミス・ユニバースに、「ミス・コリア善(ソン)」(2位)に選ばれた者がイギリスでミス・ワールドに韓国代表として出場してきたが、ミス・コリアはいずれの世界大会からも出場資格を剥奪されているからだ。

また、ネット上などで「全員同じ顔だ」などと皮肉られているように、美容整形の問題もある。

実際に、以前ミス・コリア善に輝いて芸能界入りした女優コ・ヒョンジョンは、「ミス・コリア大会に出る前に準備した」などと発言したこともあるのだ。

(参考記事:大物女優やアイドルも大胆公表!! 整形マスクを告白した韓国芸能界のスターたち

こうしたマイナス・イメージを克服しようと、ミス・コリア側も必死だ。

例えば、これまでは『韓国日報』主催だったが、新たに株式会社ミスコリアが設立され、ここが『韓国日報』と共同主催社を務めるだけでなく、大会運営、受賞者の管理およびマネージメント、関連コンテンツの制作などを手掛けるようになった。

また、賞金もアップ。今年は1位の“眞”に賞金5000万ウォンと奨学金5000万ウォンの計1億ウォン、2位の“善”に賞金2000万ウォンと奨学金1000万ウォンの計3000万ウォン、3位の“美(ミ)”には賞金2000万ウォンが授与されるという。賞金総額は過去最高の2億4000万ウォンだ。

まさに韓国を代表するミスコンであり続けるために、あの手この手を繰り出しているミス・コリア。ひとまずは、5月の地域予選に注目してみたい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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