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イ・ボミ、キム・ハヌル、アン・シネをも凌ぐ“ゴルフ女帝”が世界最強の座に返り咲き!!

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
下段中央がイ・ボミ、上段右2番目がパク・インビ(写真提供=KLPGA)

“ゴルフ女帝”パク・インビ(朴仁妃)が世界ランキング1位に返り咲いた。

2年6カ月ぶりの世界1位

パク・インビは4月23日(日本時間)、ロサンゼルスで行われた米女子ツアー「ヒューゲルJTBC選手権」を、トップと2打差の2位タイでフィニッシュ。

その結果を受けて全米女子プロゴルフ協会(LPGA)はホームページを通じて、「世界ランキング3位のパク・インビが今回の準優勝で4月23日付けの世界ランキング1位に上がった」と発表した。

パク・インビは、2013年4月に初めて世界ランキング1位に。2014年6月まで59週その地位を維持し、2014年10月にも再び1位に浮上したが、2015年10月を最後に1位の座を奪われていた。

実に、2年6カ月ぶりの復活だ。

(参考記事:韓国女子ゴルフ史上最強最高の絶対王者パク・インビのスゴさとは!?

パク・インビ本人も「世界ランキング1位に復帰したことは、うれしいこと。今年の目標にしていたわけではないが、プレゼントのように近づいてきた」と話している。

同級生の“女王”が日本で苦戦

そんなパク・インビとは対照的に、調子を取り戻せていないのが日本女子ツアーでプレーするイ・ボミだ。

今シーズンはこれまで6試合に出場したが、2試合で予選落ち、最高で11位タイという成績に終わっている。「負のスパイラルに陥った」などと報じられており、“スマイルキャンディ”と表現されるあの素敵な笑顔はなかなか見ることができない。

(参考記事:写真20枚!! イ・ボミ13カ月ぶりの韓国ツアーをあの有名カメラマンが追跡撮影!!

奇しくも2人は、同じ1988年生まれ。それだけに闘う舞台は異なるが、なおさら対照的に映る。

1988年生まれといえば、日本でプレーするキム・ハヌルも同年生まれだ。2016年2勝、2017年3勝と着実に成績を伸ばしてきた彼女も、今季は「Tポイントレディス ゴルフトーナメント」の10位タイが最高と、期待されているほどの活躍はできていない。

まだシーズンが始まったばかりといえばそれまでだが、韓国メディアに「お嫁に行きたい」宣言もしていただけに、もどかしさを感じているファンも少なくないだろう。

それでもパク・インビをはじめ、イ・ボミ、キム・ハヌル、申ジエとスター揃いの1988年生まれは、韓国ゴルフ界で“黄金世代”と呼ばれている。また、彼女たちに近い年齢の韓国女子ゴルファーは、“朴セリ・キッズ”というくくり方をされたりもする。

朴セリといえば、当時の最年少記録となる20歳9カ月で「全米女子オープン」を制し、ゴルフ殿堂入りを果たすなど、韓国ゴルフブームの火付け役。幼い頃に彼女の活躍を見て、プロゴルファーを目指したのが“朴セリ・キッズ”たちだ。

「セクシークイーン」アン・シネも“朴セリ・キッズ”

「パク・インビは子供の頃から動物好きで獣医になることを夢見ていたそうだが、1998年全米女子オープンで優勝した朴セリの活躍に感化されたらしい。当時10歳だった頃だよ」とは、旧知の韓国ゴルフ記者の言葉。

1990年生まれのアン・シネも“朴セリ・キッズ”のひとりだ。

「朴セリプロがLPGAツアーに進出したことで韓国女子ゴルフは大きな人気を得た。私も“朴セリ・キッズ”のひとり」と語っているだけでなく、自身のSNSで朴セリとの2ショットを公開したことも。

(参考記事:韓国ゴルフ界の超絶セクシークイーン、アン・シネのSNSがスゴい!!

数多くの“朴セリ・キッズ”が現在の韓国女子ゴルフ人気を支えているといっても過言ではないだろう。

そんな朴セリを超える活躍を見せているのが、今回世界ランキング1位に返り咲いたパク・インビなのである。もしかすると近い将来、韓国女子ゴルフ界に“インビ・キッズ”と呼ばれる世代が生まれるかもしれない。

いずれにしても、“ゴルフ女帝”パク・インビの活躍をますます期待したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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