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電撃結婚のチェ・ジウ、『冬ソナ』以降どんな紆余曲折を乗り越えての結婚なのか

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
チェ・ジウ(写真:アフロ)

“ジウ姫”のことを覚えているだろうか。韓流ドラマ『冬のソナタ』で一躍、その名をアジア全土に轟かせ、日本では“ジウ姫”のニックネームで愛されたチェ・ジウのことだ。

『スポーツ・ソウル』など韓国の複数のメディアによると、チェ・ジウは本日3月29日にめでたくゴールインするという。前兆はまったくなかったので、まさにサプライズ婚である。

(参考記事:“冬ソナ”のチェ・ジウが電撃結婚。相手は「平凡なサラリーマン」!? 約1年交際か)

日本ドラマのリメイク主演も視聴率は…

ドラマ『冬のソナタ』で日本でも一躍人気者となった彼女は、TBSドラマ『輪舞曲』にも主演。『チャングムの誓い』に主演したイ・ヨンエと並んで、日本でもっとも成功した“韓流女優”のひとりだが、その後はなかなかヒット作品に恵まれなかった。

2013年には『家政婦のミタ』の韓国リメイク版『怪しい家政婦』に主演したが、それもヒットすることはなく、YGエンターテインメントに移籍して挑んだドラマ『誘惑』も平均視聴率10%に届ない苦戦ぶりだった。

(参考記事:韓国でリメイクされた日本のドラマを一挙紹介。最近はあのドラマまで!?)

苦戦の原因は、皮肉にも“涙の女王”という人気絶頂期のイメージが足を引っ張っている部分もあったと思う。

日本やアジアでの成功によって“涙の女王”“韓流ヒロイン”の代名詞を得たが、それがかえって“お姫様イメージ”を増長させ、韓国の視聴者からすればどこか高貴で距離を感じるようになったのだろう。

だが、実は気さくで親しみやすい女性である。

日本で行なわれた韓流イベントや韓国映画のプレミア試写会などのバックステージで、特別ゲストとして出演した彼女と何度か同じ空間に居合わせたことがあるが、スタッフやその関係者たちにもひとりひとり丁寧に挨拶して親交を深めるなど、親しみやすい人柄なのだ。

イメージ一新。「嫁にしたい女優」に

そんなチェ・ジウのイメージ一新の突破口となったのは、“涙”の演技ではなく、ナチュラルな“笑い”だった。

人気バラエティ番組『三食ごはん』にゲスト出演したチェ・ジウは従来のお姫様イメージを打ち崩し、無邪気でお茶目な一面も披露して、その株が急上昇した。

その後も大人気バラエティ『花よりお爺さん』のギリシャ編のレギュラーに抜擢され、気さくな姿を随所で披露。高齢俳優たちの荷物係やガイドの役割を果たして好感度を上げた。その姿に好感を持った韓国の中高年層の間では、「ミョヌリ(嫁)にしたい女優」に選ばれるほどだった。

そんなチェ・ジウが嫁ぐことになったのは、一般男性。平凡なサラリーマンだという。そのため、結婚式や披露宴は非公開だという。

韓国では有名スター同士の結婚となると“世紀のカップル”と騒がれ、ゴージャスな披露宴をあげるケースもあるが、パートナーに配慮して“ジミ婚”を選ぶところもチェ・ジウらしいところだろう。

(参考記事:新郎も新婦も韓流スター!! 韓国芸能界の“世紀の結婚”と呼ばれたビッグカップル列伝)

気になるチェ・ジウの今後

いずれにしても今回のサプライズ婚で、いつになく大きな脚光を浴びることになったチェ・ジウ。

近年はバラエティだけではなく、2015年には『2度目の二十歳』、2016年には『キャリアを引く女』、昨年は『世界でもっとも美しい別れ』といったドラマに主演し、女優としての完全復活。まさに第2の全盛期を迎え、大金を積んでもキャスティングしたい女優のひとりになっていることは間違いない。

それだけに気になるのは彼女の今後だ。今のところ結婚・引退ということはなさそうだが、人生の伴侶を得た今後は、女優業をどう並行させていくかに注目が集まるだろうが、元気ハツラツなチェ・ジウのことだ。きっと幸せな家庭を築き、女優としても活躍し続けるだろう。

おめでとう。そして、末永くお幸せに!!

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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