安倍首相よりも金委員長? 韓国人がもっとも「好きな首脳」と「嫌いな首脳」は誰だ?

(写真:ロイター/アフロ)

韓国で興味深いアンケートが行われた。5カ国のトップに対する“好感度”調査だ。

韓国ギャラップ社が成人1003人を対象に行った設問調査で、日本、アメリカ、中国、ロシア、北朝鮮の5カ国の大統領や首相らの好感度を調べたものだ。

もっとも好感度が高いのはトランプ大統領

それによると、韓国人がもっとも高い好感度を示した人物は、アメリカのトランプ大統領だったという。好感度は24%で、同調査では初めて1位となった。

韓国人のトランプ大統領に対する好感度は、2017年5月はわずか9%だったが、訪韓した昨年11月に25%と急上昇。今回の調査でも好感度は据え置きとなった。

韓国ギャラップ社は「トランプ大統領は南北対話の再開歓迎、米朝首脳会談の受け入れなどは韓国人に肯定的に映る面もある」と分析。一方で「保護貿易強化など、否定的な要因も作用した結果と見られる」としている。

平昌五輪を機に、アメリカ人の韓国に対する好感度も大きく上昇したそうだが、韓国でもトランプ大統領の好感度は悪くないわけだ。

(参考記事:平昌五輪でアメリカ人の77%が“親韓派”に!? 韓国の「好感度」が急上昇している理由

韓国人の好感度2位は、中国の習近平国家主席だ。好感度は19%。この数字は中国に対する韓国人の意識の変化が見られる結果になったとも言えるだけに、興味深い。

というのも、習近平主席が訪韓した2014年7月、習主席の好感度は59%と非常に高かった。それが2017年5月には25%に急落し、そして今回はさらに低い19%となっているのだ。

急落している中国への好感度

その原因は、中国が「高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)」配備と関連して、韓国に対してさまざまな報復処置をとった“禁韓令”も無関係ではないだろう。

現実に韓国の旅行収支は去る1月、過去最悪の赤字になっている。

禁韓令以前から中国人観光客は「韓国旅行はもう二度とごめんだ!!」としていただけに、禁韓令だけが原因ではないだろうが、影響が少なくないのは間違いない。

(参考記事:「もう二度とごめんだ!!」 中国人観光客が韓国にガッカリする理由とは

韓国ギャラップ社も「サードに関連した経済的報復」が急落の原因としており、加えて「習主席の長期政権のための改憲も韓国人には否定的な事件だった」と解説していた。

好感度3位は、ロシアのプーチン大統領だ。好感度は13%で、前回14%、前々回13%と横ばいとなっている。

日本と北朝鮮のトップ、韓国人の好感度が高いのは?

注目したいのは、4位と5位だろう。

北朝鮮の金正恩委員長が4位にランクインしているのだ。その好感度は10%で、過去最高となっている。

決して高いわけではないが、韓国ギャラップ社は「金委員長の好感度は変化する余地がある」としており、「2013年2月の調査では韓国人の62%が金委員長を“好戦的な人物”と考えており、10%だけが“平和志向的”と答えた」と、過去とは違う傾向にあることを強調している。

たしかに韓国における金委員長のイメージは肯定的とはいえなかった。

実際に昨年、映画『君の名は。』が韓国で公開された際には、朴槿恵前大統領と金正恩委員長を揶揄した『君の名は。』パロディー漫画が登場したこともあった。

ただ、そんな状況が少しずつ変化しているわけだ。

この結果には韓国メディアも驚いたようで、「国民10人中1人は金正恩に“好感”…日本の安倍をリードした」(『中央日報』)、「韓国の国民、“安倍”より“金正恩”により好感」(『ヘラルド経済』)、「国民の半分は“北朝鮮が変わった”、金正恩の好感度は安倍の2倍」(『ハンギョレ』)などと報じていた。

安倍首相が最下位。日韓のズレが顕著か

韓国メディアが報じているように、今回の調査で韓国人の好感度がもっとも低かったのは、日本の安倍晋三首相だった。

その好感度は5%で、前回2017年11月よりも1%ポイント下がっている。「慰安婦問題の再交渉の要求と慰安婦少女像などで異見の幅が広い」(韓国ギャラップ社)という点が原因のようだ。

慰安婦問題に限らず、「日韓関係は今後良くなる」といった意識の面でも、日本と韓国には大きな隔たりがある。

(参考記事:日本5%vs韓国56%という意識のズレ…なぜ韓国人は「日韓関係は今後良くなる」と考えるのか

日韓の間に横たわるさまざまな問題解決は容易ではないのだろう。そんな葛藤が安倍首相に対する好感度の低さにも表れているといえるかもしれない。

いずれにしても、5カ国のトップで韓国人の好感度がもっとも高いのはトランプ大統領、もっとも低いのは安倍首相という結果になった今回の調査。今後の国際情勢は急展開を迎える可能性もあるだけに、世界の首脳たちに向けられる韓国人の好感度がどう変化していくのかに注目してみるのも、一興ではないだろうか。