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藤澤五月よりも先に“メガネ先輩”がロボット掃除機を投げる? 広告依頼殺到の韓国メダリストたち

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
藤澤五月とキム・ウンジョン(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

平昌五輪閉幕から10日が過ぎたが、日本カーリング史上初めて冬季五輪でメダルを獲得した女子代表の人気が冷めやらない。

スキップの藤澤五月をはじめロコ・ソラーレ北見のメンバーたちに注目が集まっているが、韓国でも女子カーリング代表は絶大な支持を集めている。

準決勝で日本を破り、銀メダルに輝いた韓国女子代表は、いまやアイドル並みの人気を集めており、テレビ番組やメディアに引っ張りだこだ。最近は、 “メガネ先輩”の愛称で親しまれるキム・ウンジョンが「普段はメガネをかけない」と明かすなど、プライベートな話題にも関心が集まっている。

(参考記事:メガネを外した“メガネ先輩”が超かわいい!! 韓国カーリング女子キム・ウンジョンのSNSがスゴい!!

昨日3月7日には、カーリング韓国女子代表の面々たちがLG電子のコードレス掃除機とロボット掃除機の広告モデルに抜擢され、大きな話題を呼んでいる。

大方の予想が的中

そもそもカーリング韓国女子代表は、平昌五輪期間中から大会後に広告モデルとして起用されることが有力視されていた。

特にカーリングのストーンとブラシがロボット掃除機やスティック型掃除機と形が似ていることから、韓国メディアの間では、多くの家電メーカーが彼女たちの起用に名乗りを挙げることが予想されていた。

現地の広告業界関係者も、「家電メーカーでは、女子カーリング代表を広告モデルに起用することがマーケティングにおいて大きなプラスになるという意見が挙がっている。競合他社に奪われることを心配する声も多い」と、複数の韓国メディアに明かしていたほどだ。

その予想は的中し、大会直後からカーリング韓国女子代表に広告オファーが殺到。韓国メディア『スポーツ・ソウル』の報道によれば、その数は一日150件にも上るというが、そんな激しい競争の中で今回、LG電子が射止めたわけだ。

日本でも藤澤五月らロコ・ソラーレ北見のメンバーたちの広告出演の可能性が多くのメディアで取り上げられたが、まず先に韓国のカーリング女子代表がCM出演を決めた格好だ。

ちなみに藤澤に似ているとされる韓国の人気女優パク・ボヨンは、電化製品ショッピングモールである『ロッテ・ハイマート』の広告モデルを務めていたが、そのロッテ・ハイマートにもメガネ先輩らが出演する広告商品が販売されるというのだから面白い。

広告起用の多い五輪メダリスト

2015年にはリードのキム・ヨンミが『中央日報』のインタビューで「もしメダルを獲ったら掃除機の広告に出られるかな」と話していたが、実際にその夢が実現したのだから感慨深いところでもある。

LG電子はカーリング韓国女子代表と今後4年間のスポンサー契約も結んだが、これまでカーリングがマイナー種目の一つに過ぎなかったことを考えると、彼女たちが平昌五輪で与えた影響の大きさを改めて感じる。ファンの間では「彼女たちを題材にした映画を作るべき」との意見も出ているほどである。

(参考記事:「メガネ先輩vs藤澤五月を映画にすべき」日本とは似て異なる“韓国のカーリング旋風”

もっとも、韓国では、五輪メダリストが広告モデルに起用されることは珍しいことではない。

例えば、2年前のリオ五輪の際は、日本に逆転勝利を収めた女子バレーボール代表が注目を浴び、キャプテンを務めた“長身美女”キム・ヨンギョンは、化粧品や食品メーカーの広告モデルに抜擢されている。

また、平昌五輪のスピードスケート女子500mで小平奈緒に敗れ銀メダルを獲得したイ・サンファ(李相花)も、ソチ五輪で五輪2連覇を達成した後には、スポーツドリンクなどの広告モデルに起用された。

特に広告モデルとして人気が高いのは、バンクーバー五輪金メダリストの“フィギュア女王”キム・ヨナだろう。

これまで出演した広告は、今年1月時点で累計266本。現在もSKテレコムやKB金融グループ、コカ・コーラなど約10社の広告モデルを務めており、最近も、ニューバランスの広告で披露したグラビアが話題を呼んでいた。

(参考記事:【最新グラビア】韓国の“フィギュア女王”キム・ヨナ、大人の色気漂う美ボディを披露

韓国企業評判研究所が毎月行っている「女性広告モデルブランド評判調査」の今年2月調査では、人気歌手やタレントを抑えてキム・ヨナが1位に輝いている。

五輪メダリストが広告モデルに起用される理由について、韓国の広告業界関係者は「トップというイメージ、メダルを獲得した良いイメージがあるから、広告主が起用せざるを得ない」と話す。

それだけに、カーリング韓国女子代表も、今回のLG電子との契約を皮切りに広告出演が増えていく可能性も少なくないだろう。

いずれにしても、広告出演が決まったことで、カーリング韓国女子代表の注目度がさらに高まったことは間違いない。これからも当分、韓国のカーリング人気が収まる気配はなさそうだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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