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日本では休刊したあの成人男性誌が、出版不況の韓国で64年目にして初創刊!!

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
マッスル・マニア受賞時のイ・ヨンファ(右)(写真:SPORTS KOREA)

日本同様に出版不況が囁かれる韓国。特に雑誌市場は大苦戦中。韓国雑誌協会によると、2012年は1兆8625億ウォン(約1862億円)の市場規模を誇ったが、2014年には1兆3754億ウォン(約1375億円)に減少。26%近く落ち込み、その下落は今も止まらないと言われている。

あの『PLAY BOY』韓国版が創刊。初代プレイメイトは?

そんな中で本日8月21日、新たな雑誌が産声を上げるという。その名も『PLAY BOY KOREA』。成人男性誌として世界的に有名な、あの『PLAY BOY』誌の韓国版だ。

創刊号のカバーガールを務めたのは、今年4月の『2017 MAX Q マッスルマニア・オリエント・チャンピオンシップ』でグランプリに輝き、今や人気急上昇ミューズ(女神)として話題を集めるイ・ヨンファだ。

(参考記事:障がいを乗り越えてマッスル大会のグランプリ!! 次世代マッスル美女イ・ヨンファの感動セクシー!!)

「イ・ヨンファ、PALYBOY韓国版のプレイメイト1号」(『NEWSIS』)、「韓国版PLAYBOY、優雅な美ボディのイ・ヨンファ、韓国PLAYBOYの創刊を飾る」(『韓国スポーツ経済』)など、各種メディアが雑誌の創刊とその表紙を飾ったカバーガールのことを大きく紹介しているほどだ。

ただ、それも当然かもしれない。『PLAYBOY』誌といえば、1953年にアメリカで創刊された男性誌。『PLAYBOY』日本版は2009年1月号をもって休刊となったが、日本でもその名を知る人は多いだろう。

しかし、意外にも韓国では長らく販売も流通もされていなかった。その表現がときに刺激すぎることもあってだが、そんな世界的男性誌がついに韓国でも解禁されるのだ。大手出版社のカヤ・メディアがライセンス契約を交わしての創刊だという。

発売前から表紙モデルは誰かと噂に

それだけに『PLAY BOY KOREA』は創刊前から何かと話題だった。先月7月にはまだ創刊日も発表されていなかったにもかかわらず、記念すべき創刊号のカバーモデルがソルリに決まったと報じられたこともあった。

ソルリはアイドルグルーブf(x)の元メンバーで、現在は歌手兼女優として活躍するタレント。ただ、昨年は14歳年上男性との熱愛が発覚してグループを脱退したり、自身のインスタグラムに「キス写真」などを投稿して炎上させるなど、韓国メディアが選定する「お騒がせタレントTOP 5」にも入った。

そんな彼女が創刊号のカバーモデルを務めるという情報は当然、過熱したが、ガセネタで所属事務所のSMエンターテイメントも完全否定。それが記事として展開されたほどである。

このエピソードは裏返せば、それだけ『PLAY BOY KOREA』への注目度が大きい証でもあると言えるが、気になるのは『PLAY BOY KOREA』の今後だろう。

というのも、韓国にはすでに絶大な人気を誇る男性誌がある。

韓国ですでにアメリカ成人誌の韓国版がある

アメリカの成人男性誌『MAXIM』の韓国版で、20~30代の男性をターゲットにファッション、恋愛、ビジネス、ライフスタイルなどを扱う『MAXIM KOREA』だ。

『MAXIM KOREA』は数々の伝説を持つ。有名なのは韓国の人気女子アナウンサー、チョン・イニョンが表紙を飾った2014年1月号だ。発売と同時に大型書店はもちろん、インターネット書店でも品切れとなったほどである。

(参考記事:韓国の美脚セクシー女子アナの表紙雑誌“完売伝説”)

セクシー女優の北条麻妃やグラビアタレントの篠崎愛も表紙を飾っていることもあって、『MAXIM KOREA』は日本でも有名だ。

特に篠崎愛が表紙を飾った2016年2月号は発売前の予約分だけで品切れになり、その異例事態は「買いたくても買えない篠崎愛のMAXIM表紙号」とメディアで報じられたほどである。

(参考記事:篠崎愛が表紙を飾って完売!! 衝撃の男性雑誌『MAXIM KOREA』とは)

しかも、『MAXIM KOREA』が成功しているのは、雑誌の売り上げだけではない。さまざまなグラビアモデルたちによるオムニバス写真集『MAXIM B SIDE』も発売前から予約で品切れになるほどに人気を誇っているし、毎年「MISS MAXIM CONTEST」なるものも開催している。

同コンテストはセクシーな一般女性たちが参加し、受賞者たちはその後、モデルやタレントとして活躍する、まさに“韓国のグラドル登竜門”で、今年の「MISS MAXIM CONTEST」には、史上初めて日本人もエントリー。モデル兼女優の“謎の美女リサ”が出場して話題になった。

まさに売れ行きでも話題作りでも韓国の男性誌市場を独走する『MAXIM KOREA』が築いてきた牙城を、はたして『PLAY BOY KOREA』は切り崩せるだろうか。雑誌に携わる者としてとても興味深く、注視していきたい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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