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グラビア広告塔に17歳オルチャンまで!韓国で急増している若くて個性的な“女性CEO”たちの逆襲

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
写真はイメージ(写真:アフロ)

興味深い数字がある。世界最大の英文ビジネス誌『Fortune(フォーチュン』が、6月7日に発表した数字だ。

同メディアが売上基準で選定した“Fortune 500”の中で、実に32の大企業のCEOが女性だったという。一昨年は24名、昨年は21名が女性CEOだったが、今年ははじめて30人の大台を超えたというのだ。

まさにビジネス分野でも女性たちの活躍が目覚ましいことを示していると言えるが、最近、韓国でも女性CEOの活躍が目立つ。

韓国のIT最大手NAVERのCEO、ハン・ソンスク氏は代表格だろう。

以前から男女間の賃金格差や女性役員の割合などにおいて、「韓国で最も女性が活躍しやすい企業」とされてきたNAVERだったが、韓国IT大手で女性がCEOを務めることになったのは初のことだ。

(参考記事:LINEの親会社NAVERが「韓国で最も女性が活躍しやすい企業」と呼ばれるワケ

17歳の“オルチャンCEO”も。韓国で女性の起業が増えている

起業する女性も増えた。

韓国・中小企業庁の統計では、2015年に起業した女性は2万2229人で、2014年より12.7%増加。女性CEOによる法人設立も増加の一途をたどっており、2014年1分期に4817件だったのが、2016年上半期には約2倍増えた9693件となっている。

最近は17歳の若さでショッピングモールを起業した “オルチャンCEO”も登場しているほどだ。

(参考記事:17歳で起業した超絶かわいい“オルチャンCEO”キム・スギョンの今現在)

自らを広告モデルにする美女CEO

そういった急増する女性起業家やCEOたちの中で、韓国メディアを騒がせているのは自ら広告塔になっている美女CEOたちだろう。

例えば、下着のネットショップを経営している美女CEOハヌルは、文字通り広告モデルも務めている。

ハヌルは自ら商品を身につけて、それをSNSなどで拡散して宣伝している。“かわいすぎるCEO”として人気だ。年間売上は40億ウォン(約4億円)で、その10%ほどが彼女の給料なのだとか。

男性誌のグラビアに登場した女性経営者も

自ら広告塔になっている美女CEOのなかには、人気男性誌のグラビアを飾った人も。“女性が好きな男性ファッション”をコンセプトにした男性服のオンライン・セレクトショップ「イ・フィウン.com」を経営するイ・フィウンだ。

彼女も前出のハヌルと同じく商品を自ら身にまとい、時に過激ともいえる写真で話題を提供している。

「あなたの写真が男性を性犯罪者に作る」という女性からのクレームを受けたこともあるが、イ・フィウンは「お姉さんたち、外に出て男性と会ってきなさい」と一蹴した。

(参考記事:男性誌のグラビアを飾り、コメントも切れ味抜群。“セクシーすぎるCEO”イ・フィウンが話題!!

なんとも肝っ玉が据わっているのは、会社経営者ならではと言えるかもしれない。

「知識融合社会には女性が適している」

なぜ今、韓国で女性の起業が増えているのだろうか。

ひとつは、韓国社会に遠因があると言われている。結婚や出産でキャリアが断絶された女性=「経断女(経歴断絶女」が社会問題になりつつある韓国で、女性たちは自らの手で生き残りをかけた闘い=起業に挑んでいるのだ。

また、こんな分析をする専門家もいる。

「現在は高い感受性と繊細な能力が要求される知識融合社会。そのため男性よりも女性が適している。トレンドに変化が生まれている今こそ、女性たちの役割が重要だ。起業する女性は今後も増えていくことだろう」

韓国経済に明るい話題が少ない昨今だからこそ、まさに今は女性CEOたちの活躍や台頭が求められているのかもしれない。

ちなみに日本で女性が社長を務めている企業は、日本の全体の7.7%だという(帝国データバンクの調査)。5月には日本で初めて「世界女性サミット」が開催されているが、日本の経済界でも女性CEOたちの活躍が待望されている。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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