イ・ボミら韓国女子ゴルファーが日本で「得意とする試合」と「違和感があること」とは?
本日3月10日から高知県の土佐カントリークラブで開催される『ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ』。先週から開幕した日本女子プロゴルフツアーの今季2戦目となるが、韓国のゴルフメディア『マニア・リポート』は「ヨコハマタイヤ・トーメントは韓国選手の“トッバッ”と言っても過言ではない」と報じている。
“トッパッ”を漢字で書くと「票田」となる。日本では多数の得票を見込める選挙用語として使われる言葉なのでゴルフには似つかわしくはないが、韓国メディアがこの言葉を使いたくなるのも仕方ないかもしれない。
大会は2008年からスタートしているが (2011年大会は東日本大震災の影響で開催されず)、シン・ジエ(08年)、全貞美(13年)、李知姫(15年)など、過去5回が韓国人選手の優勝となっている。
とりわけ2012年優勝のイ・ボミは昨年度も制した。それも2012年はアン・ソンジュと、2016年は柏原明日架、飯島茜との三つ巴のプレーオフを制して優勝している。イ・ボミの真骨頂が発揮された大会とも言えるだろう。
(参考記事:女王イ・ボミがプレーオフに滅法強い理由)
それだけに前出の『マニア・リポート』も「日本の舞台だが韓国選手たちの票田と言っても過言ではない」としており、今大会でも韓国人選手が優勝争いを演じる可能性が十分にある。としている。優勝経験者はもちろん、先週の『ダイキン・オーキッド・レディース』を制したアン・ソンジュ、キム・ハヌル、ペ・ヒギュン、カン・スヨンなどが出場するからだ。
これらお馴染みの顔に加え、今年は今季から日本ツアーを主戦場とするユン・チェヨン、イ・ミニョンらも参戦する。「新しい顔の韓国人選手たちが優勝記録を引き継いでいくかという点も関心事だ」(『マニア・リポート』)。
ちなみに“韓国美女ゴルファー神セブン”にも名を連ねるユン・チェヨンの先週の成績は46位タイ。ほろ苦い日本本格デビューとなったが、興味深いのは彼女が韓国メディアで連載中のエッセイで綴っていた日本のゴルフ・コースの特長だ。
「日本のコースは韓国とはかなり異なります。フェアウェイの周りに木々が並んで狭く感じられ、グリーンも思っていた以上に複雑でした」としているのだ。
同じような言葉をキム・ハヌルからも聞いたことがある。拙著『イ・ボミはなぜ強い?〜女王たちの素顔』の取材で、キム・ハヌルは日本挑戦1年目の苦労をこう語っていた。
「ティーグラウンドに立ってコース全体を見渡したとき、かならず目に飛び込んでくるのが左右両サイドに隙間なく生い茂る林です。日本のコースは全体的にフェアフェイが狭く、それが視覚的に圧迫感を与え、心理的に硬くなる。ティーショットがうまく行かないから、その後のコース攻略にも支障が出る。ゴルフをやっていても違和感だらけでした」
(参考記事:女子ゴルファーたちが見て、感じて、語った!! 日韓女子ゴルフ比較)
おそらくユン・チェヨンも同じような違和感を味わったのだろうが、韓国との違いにストレスは感じていないようだ。前出のエッセイでもこう綴っている。
「プロ13年目なので震えることは思いましたが、新しい出発は容易ではありませんね。大会を控えて眠れず、プレー中もかなり緊張しました。 それでも1次目標であった本選進出には成功したということに意味を置きたいです」
以前インタビューしたとき、「私はリズムを重要視するスタイル。“今日はいける”という日は攻撃的に、“ダメだ”という日はスコアを落とさないようなゴルフをする」と自己分析していたが、欲張ったり悔やんだりしないところが彼女らしい。
(参考記事:【独占インタビュー】“元祖美女ゴルファー”ユン・チェヨン)
そんなユン・チェヨンも出場する『ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ』。もうひとりの韓国からの“美しき刺客”として注目を集めるアン・シネは今回もエントリーされていない。
頻繁に日常をアップするアン・シネのSNSを確認すると、2月下旬には東京・六本木、3月になるとオーストラリアにいるようだが……、。
いずれにしても今季2戦目を迎える日本女子プロゴルフ。“韓国人選手の票田”と言われる『ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ』で高々と優勝カップを掲げるのは誰か。日本勢の躍進にも期待したい。