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“超絶美女ゴルファー”アン・シネが韓国メディアだけに語った日本挑戦の決意

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真提供=KLPGA)アン・シネ

イ・ボミが2年連続の賞金女王に輝いたことを筆頭に、申ジエやキム・ハヌルら韓国女子ゴルファーの活躍が目覚しかった昨年の日本女子ツアー。今季は、さらに注目の韓国女子ゴルファーが日本に参戦する。

彼女の名はアン・シネ。昨年のクォリファイングトーナメント(QT)を通じて、日本ツアー参戦の資格を獲得した。今さら言うまでもないかもしれないが、アン・シネは韓国でもトップクラスの人気を誇るスター選手だ。

イ・ボミやキム・ハヌルなどと並ぶ韓国美女ゴルファー“神セブン”と呼ばれる選手で、ゴルフ選手としては異例ともいえる人気男性誌の表紙を飾ったことも。

ラウンド中の彼女の姿を追いかける韓国のカメラマンたちが「最高のフォトジェニックだ」と絶賛しているように、日本でも高い注目を集めることは間違いない。

(参考記事:写真15枚!! ゴルフ界のセクシークイーン、アン・シネの魅力

そんな彼女は年明け早々、韓国メディア『イーデイリー』の取材に応じている。興味深い内容もあるので、一部紹介しよう。

まずアン・シネは、日本での認知度の高さに驚いているようだ。「QTにも関わらず、新聞やテレビはもちろん、インターネットにラジオまで…関心が想像以上で衝撃を受けました」と話す。ただし「フル出場資格を得ることができなかったから、ちょっと恥ずかしかった」らしい。

そもそもアン・シネは、なぜ日本ツアーに参戦しようと考えたのだろうか。

一般的に韓国女子ゴルファーたちは、日本ツアーは選手がよりゴルフに集中できる環境があると口を揃える。アン・シネも以前、私のインタビューに応じてくれたときに同じことを話していた。

ただ彼女が日本ツアー参戦を決めた理由は、それだけではないようだ。

今回のインタビューで彼女は、「いつかは米女子ツアーにチャレンジしてみたいと思っていた」としながら、「でも父が抗がん治療を受けているし母も乳ガンを患った。両親と遠く離れることはできなかった。父親は大丈夫だと話していたけど、現実と夢に折り合いをつけて、日本を選択しました」と正直に明かしている。

韓国女子ゴルフの強さの秘密をレポートした拙著『イ・ボミはなぜ強い?〜知られざる素顔の女王たち〜』(光文社新書)にも書いたが、韓国の女子ゴルファーを支える両親の存在は大きく、特に“ゴルフ・ダディ”たちのサポートや苦労話は感動的だ。アン・シネ父子もその例に漏れない。

昨年のQTを45位で終えたアン・シネは、来シーズンは約20試合に出場できる。上位シード者が出場しない場合、参加大会はさらに増える。

だからこそ気になるのは、彼女がどれほどの決意を持って日本女子ツアーに参戦するのかという点だ。韓国メディアとのインタビューでは、日本挑戦に向けた決意についても明言している。

「少ない試合数でも賞金を十分に確保して、次のシーズンのシード戦を回避するのが目標です。ショートゲームを重点的に練習して、日本で良い成績を残したい」

振り返れば昨年8月、彼女に取材したときも自分の武器をこう語っていた。

「私は飛距離がよく出る飛ばし屋でもありませんし、ショーマンシップが強いプレーヤーでもありません。ただ、アプローチやグリーン回りでのショートゲームが私の長所だと思っています。きちんとコツコツ、精巧なプレーを心がけてきたことが、KLPGAの熾烈な競争を生き残る要因になっているのではないかと思います」

(参考記事:韓国美女ゴルファー、アン・シネ独占インタビュー(前編)

アン・シネのアプローチの技術は“芸術的”と言われ、“ショートゲームの達人”との異名も持つほどでもある。そんな彼女がさらにショートゲームの技術を高めたら…期待は高まるばかりだ。

期待を膨らませるのはアン・シネのファンたちだけではない。

アン・シネが日本に参戦することで韓国ゴルフ界としてはまたもや貴重な人気選手を流出することになるが、韓国女子ゴルフ界にはスター候補と呼べる美女ゴルファーがまだまだ存在する。むしろ後輩たちからすれば、アン・シネの活躍によって自分たちの可能性も広がるのではないかと注目している。

(参考記事:イ・ボミ、アン・シネだけじゃない!! 韓国美女ゴルフ“マニアック・フォー”を知っているか

いずれにしても今季だけでなく、その次のシーズンまでを目論んで日本に来るだけに、アン・シネの本気度は高い。日本ツアー本格参戦の日が、今から待ち遠しい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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