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衝撃スキャンダルから出産ラッシュまで!! 韓国芸能界総決算2016

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
警察に出頭したJYJのユチョン(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

SMAP解散から不倫騒動、薬物問題などと2016年は日本の芸能界の話題が尽きない一年となったが、日本に勝るとも劣らない事件、事故、スキャンダルが多かったのが韓国芸能界だ。

最も悪目立ちしたのは、性的暴行容疑や性売買などの“衝撃スキャンダル”だろう。「2016年を襲った最悪のスキャンダルから不倫・飲酒運転・脱税まで“芸能界の暗黒期」(『スターソウルTV』)といった見出しを見ればわかるように、衝撃的なスキャンダルが多かった。

芸人ユ・サンム、俳優イ・ジュノ、イ・ミンギ、オム・テウンらがスキャンダルを起こしてイメージ失墜となったが、やはり最も衝撃を与えたのは6月に発覚したJYJパク・ユチョンの性的暴行容疑だ。

一週間に4人の女性から訴えられる前代未聞のスキャンダルに発展し、さらにユチョンが兵役中ということもあって、ファンのみならず、韓国社会全体が驚愕する事態に。警察が特別捜査チームを組んで捜査した結果、性的暴行の容疑は晴れたが、イメージダウンは免れていない。

(参考記事:社会服務要員として兵役を務めるユチョンは今、どこで何をしているのか

日本芸能界と同じような“ゲス不倫”もあった。女優キム・ミニとホン・サンス映画監督の不倫スキャンダルだ。2人は2015年の映画『今は正しくあの時は間違い』での出会いをきっかけで、不倫関係に発展。22歳差の不倫は、主婦を中心に非難の声が集中した。

ちなみに、ユチョンとキム・ミニの騒動があった今年の6月は、「SUPER JUNIOR」のカンインの飲酒運転、「CNBLUE」ジョン・ヨンファの不正株取引疑惑、俳優キム・ソンミンの自殺など韓国芸能界を揺るがすスキャンダルが続出。そのため例年スキャンダルが頻発する11月に使われる「11月怪談」というワードが、早くも6月に使われることになったらしい。

(参考記事:今年は「11月」ではない!? 韓国芸能界「6月怪談」の悪夢

『スポーツ東亜』は「2016年芸能界、まさに“猟奇的な3つの事件」という記事で、ユチョンのスキャンダルと、キム・ミニの不倫騒動を挙げていたが、残りひとつは日本では珍しいスキャンダルかもしれない。

それは女性による男性へのセクハラ事件だった。女性芸人イ・セヨンが男性アイドルグループB1A4のメンバーに過剰なスキンシップをしたことで、セクハラ騒動に発展。結局イ・セヨンが謝罪したことで事態は収束したが、議論の多いスキャンダルだった。

スキャンダルが続出した韓国芸能界だったが、だからといって暗い話ばかりだったわけではない。

『猟奇的な彼女』で日本でも人気の女優チョン・ジヒョンが2月に息子を出産してママに。4月にはハン・ガインも結婚11年を経て娘を出産。また、10月には“元祖韓流スター”ペ・ヨンジュンがパパになっている。特に“ヨン様2世”の写真が作られて話題にもなった。

また、人気俳優ソン・ジュンギ主演のドラマ『太陽の末裔』が韓国と中国で当時放送され、大ヒットとなったことも、“韓流”の新たな可能性を示した朗報だろう。

『スポーツソウル』によると同作は、「(韓国)国内はもちろん、グローバルTV分野9位をはじめ、香港、台湾、シンガポール、ベトナムなどアジア主要地域でTV分野の人気検索ワード1位を記録」したそうだ。

最近の中国は“限韓令”を適用しているというが、それでもチャイナ・マネーの衝撃が韓国芸能界にもたらした影響は大きい。

実際に日本の年末を象徴する「紅白歌合戦」には、今年もK-POPアーティストが出演しない。東方神起、少女時代、KARAなど3組が同時出場した2011年以降、5年連続で出場ゼロとなったが、K-POP業界はそれほど悲観していないという。

(参考記事:5年連続で紅白歌合戦出場ゼロでもK-POP業界が妙に強気な理由

数多くの韓国メディアが口を揃えているように、スキャンダルや事件が多かった韓国芸能界の2016年。来年こそは穏やかな一年になればと思うが、はたして。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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