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若年化が進む女子ゴルフ。『サマンサタバサGC』にはスーパー中学生も参戦!!

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
韓国のスーパー女子高生チェ・ヘジン(写真:青木紘二/アフロスポーツ)

興味深いデータがある。アメリカのゴルフ専門メディア『ゴルフチャンネル』によると、今季のアメリカ女子ゴルフツアー(LPGA)の優勝者の平均年齢は、6月17日の時点て平均20.8歳だというのだ。その中には、韓国系オーストラリア人のミンジ・リー(20歳)や世界ランク1位で韓国系ニュージーランド人のリディア・コ(19歳)はもろちん、日本の野村敏京も含まれており、もっとも年長者は23歳10カ月のジャン・ハナというのだから、驚きだ。

急速な若返りを見せているのはアメリカだけではない。韓国でも若返りが進んでおり、最近は10代の台頭が目覚しい。

例えば高校2年生のチェ・ヘジンだ。ゴルフ歴はまだ8年だ。韓国の国家代表として活動しており、2014年の仁川アジア競技大会では団体銀メダルを獲得、2015年には韓国女子アマチュア選手権を制した。平均飛距離は250~260ヤードだというから驚きだ。今年のサロンパスカップに出場した彼女はまだ16歳である。

(参考記事:若干16歳のアマチュア女子高生ゴルファー、チェ・ヘジンは新たな”10代伝説”を作れるか)

6月には、彼女と同じく高校2年生であるソン・ウンジョンが旋風を巻き起こした。韓国女子プロゴルフツアー(KLPGA)の『BCカード・韓国経済レディースカップ』に招待出場したソン・ウンジュは、並みいるプロたちを押しのけて初日、2日目、3日目と首位に立ったのである。

最終日も首位を走り続けるも最終18番ホールでミスを犯し、プレーオフに敗れて最終的には準優勝で終わったものの、その特異な経歴もあって韓国メディアから大きな注目を浴びた。新たなスーパー女子高生の誕生である。

(参考記事:米国修行で腕をあげたニキビ顔のスーパー女子高生ゴルファー、ソン・ウンジョン)

スーパー女子高校の出現は日本でもある。『ニチレイレディス』で2位に終わった勝みなみなどが代表格だが、韓国ではさらに若いスーパー女子中学生も登場している。

それがユ・ヘランだ。当然のごとくまだアマチュアながら、その経歴が凄い。2014年にはKLPGA会長杯優勝、2015年には『エビアン・チャンピオンシッブ ジュニアカップ』優勝など、国内外のアマチュア大会で数多くのタイトルを手にするなど、急成長を続けており、今年1月には中学生ながら、一年間にわずか8人しか選ばれない国家代表にも選ばれている。

もちろん、最年少。中学生で国家代表に選ばれたのは、前出のチェ・ヘジンや現在はアメリカで活躍する“ゴルフ神童”キム・ヒュージュなど限れた選手のみであることを考えると、ユ・ヘランもかなりスーパーな女子中学生と言えるだろう。

しかも、ユ・ヘランは5月に行われた『全米女子オープン韓国地域予選』で優勝。同予選には、KLPGAで5勝のイ・ジョンウン、3勝のイ・ミンヨン、日本女子プロゴルフツアー参戦中のペ・フィギョンなども出場したが、スーパー女子中学生は並みいるプロたちを退けて全米女子オープンへの出場切符を手にした(2位で出場権を獲得したのはチェ・ヘジン)。まさに韓国女子ゴルフ界の“アンファンテリブル(「恐るべき子供」という意味)”の登場である。

注目したいのは、そんなスーパー女子中学生がさっそく日本にやって来るということだ。7月15日から開幕する『サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント』に招待選手として出場するらしい。

はたして韓国のスーパー女子中学生は日本女子プロゴルフツアー初挑戦でどんなプレーを見せるのか。日本が誇るスーパー女子高生・勝なみなも招待出場するだけに、日韓ヤングパワー対決にも注目したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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