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出入りが激しく全員揃わない!? 韓流アイドルと兵役の複雑な関係

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
超新星のメンバー全員が揃うのは2018年頃となる。(写真:アフロ)

日本でも人気の韓流アイドルたちの兵役関連ニュースが相次いでいる。

5月27日、日本でも人気のグループ“超新星”のソンジェが21ヶ月の兵役を終えて除隊。ソンジェは現役兵ではなく、義務警察としてソウル警察庁広報団に所属していた。同じくソウル警察庁広報団に所属する東方神起のチャンミンやSUPER JUNIORのドンヘ、シウォンらとともに、広報ポスターにも登場した。

(参考記事:警察官として兵役務める東方神起チャンミン、SJのドンヘ、シウォンの近況が明らかに!!

ただ、除隊したソンジェと入れ替わるように、昨日6月9日にはジヒョクとグァンスが揃って入隊。新兵が基礎訓練を受ける論山の陸軍訓練所に入所した。

超新星は6人グループですでにユナクが2013年7月に兵役を終えているが、今年4月26日にはソンモとゴニルが入隊して服務中だ。つまり、6人揃ってのグループ活動ができなくなっている。当面はユナクとソンジェの2人でグループ活動をしていく予定だが、ファンにとってはどこか一抹の寂しさは拭えないところだろう。

前回のコラムで紹介したBIGBANGのメンバー一斉入隊説も、こうしたグループとしての空白期間を懸念するからこそ浮上する。誤報に終わったが、芸能人、特にソロではなくいグループ活動を展開するアイドルたちの入隊時期はファンやメディアにとっては大きな関心事なのだ。

誤報に終わったBIGBANGの兵役一斉入隊説。その背景になったものとは?ヤフーニュース個人 2016/06/08 

しかも、グループの所帯が大きくなればなるほど、入隊時期の調整は難しくなる。端的な例がSUPER JUNIORだろう。イトゥク、ヒチョル、イェソン、カンイン、シンドン、ソンミン、ウニョク、シウォン、ドンヘ、リョウク、キュヒョンら総勢11名で構成されたビッググループだが、2010年以降、メンバーたちの兵役の出入りが続く

現在も前出した通り、ドンヘとシウォンが義務警察で、シンドンとソンミンは軍楽隊で兵役を務めている。東方神起のユンホやJYJのジェジュンも属する軍楽隊については以前に本欄でも紹介したが、公演活動の毎日とはいえ軍隊生活を送ることは間違いないだけに決して楽ではないだろう。

(参考記事:東方神起やJYJのメンバーも服務中!! 韓流アイドルと兵役のナイーブな関係

SUPER JUNIORのリョウクは、そんな軍隊生活を6月14日から始める予定だった。3月に所属事務所を通じて入隊時期を明らかにし、メディアでは「SUPER JUNIOR 10人目の入隊メンバー」とも報じられた。

だが、昨日6月9日に所属するSMエンターテインメントが急遽、“入隊延期”を発表。「リョウクは入隊準備を進めていたが、チーム運営に突然の変更が発生し、予定していた南米地域のファンとの約束を守るためにやむを得ず入隊を延期することになった」とした。

「リョウクは海外日程を終えたあとすぐに入隊を希望しており、入隊時期が決まり次第、現役兵として入隊。国防の義務を誠実に履行する計画だ」とも付け加えたが、ここにも入隊時期の難しさを伺わせる。入隊時期を変更させる方法はさまざまあるが、リョウクも所属事務所もさまざまな事情から延期を決めたのだろう。

(参考記事:【まるっとわかる韓国の兵役】入隊時期を延期できる2つの制度と服務期間

ある者は除隊し、ある者は入隊。またある者は入隊時期を延期する。入れ替わり立ち替わりが激しいその様相は、韓流アイドルグループと兵役の“複雑な関係”を暗示させる。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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