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イ・ボミの国内復帰戦「リゾートトラスト レディス」にキム・ハヌルは出場せず…なぜ?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
今週は韓国女子ツアーに参戦するキム・ハヌル(写真:ロイター/アフロ)

本日5月27日から始まる日本女子ツアー「リゾートトラスト レディス」。テレサ・ルーの3連覇が注目されるなか、先週をオープンウィークとしたイ・ボミも復帰し、虎視眈々と今季2勝目を狙っている。

一方、イ・ボミとともに日本ツアーで活躍中のキム・ハヌルは出場しない。

では、キム・ハヌルは何をするのか。5月27日から29日まで、韓国・京畿道で行われる韓国女子ツアー「E1チャリティーオープン」に参戦する。日本女子ツアーに専念していた彼女が韓国女子ツアーに参戦するのは、今季初。同大会には昨年も出場したが、韓国における注目度は、昨季とはまったく違う。

実際、韓国メディアの注目も高く「KLPGA今週は“スマイル・クイーン”キム・ハヌルが現れる」(『SBSニュース』)、「日本で活躍中の美女ゴルファー、キム・ハヌル帰国。トップに立つか」(『世界日報』)などの見出しが飛んでいる。優勝候補筆頭という扱いだ。

現在、イ・ボミとともに日本女子ツアーを牽引しているキム・ハヌルだが、日本よりも韓国での知名度のほうが高いかもしれない。2011年と2012年には2年連続の賞金女王となっており、彼女を“興行の女神”と呼ぶ韓国メディアもあったほどだ。

(参考記事:イ・ボミとの“ミニスカ対決”でも負けていない!! 美女ゴルファー、キム・ハヌル

というのも、彼女がデビューした当時、韓国女子ゴルフのスポンサー企業はハイマート、CJ、KTFなど一部の大企業が特定の選手を後援するだけにすぎなかった。

しかし、キム・ハヌルがデビューしてからは、彼女の人気に後押しされたかのように、KB金融グループ、ロッテ、ウリ投資証券などが本格的なプロゴルファー・マーケティングを始めており、韓国女子ツアーの大会数も倍増。2004年までは10大会しかなかったが、10年後の2014年には27大会にまで増えたのだった。

そして韓国女子ツアーは今季、全盛期を迎えている。今シーズンは歴代最多となる33大会が行われ、賞金総額も212億ウォン(約21億円)だ。

盛り上がりを見せる韓国女子ツアーの「E1チャリティーオープン」で、キム・ハヌルのライバルになるのは、昨年の覇者イ・ジョンミンだろう。「大会タイトルを必ず守り抜きたい」と本人も意気込んでいるが、今季はキム・ハヌルも好調だ。

昨年の同時期は日本女子ツアーで一度もトップ10に入れない状況での参戦となったが、今季は「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」の優勝をはじめ、計9大会に出場してトップ10入り7度。すべての大会で20位以内に入る安定した活躍を見せている。日本女子ツアーでの好調ぶりを引っ提げての“凱旋”といっていいだけに、メディアやファンの期待は大きい。

同時に、美女ゴルファー対決にも注目だ。同大会には、「ヤマハレディース葛城」で3位を記録して日本でも“8頭身美女”と注目を集めたユン・チェヨンをはじめ、韓国女子ゴルフ界の“恋多きオシャレ番長”ことヤン・スジンも出場。また、韓国ゴルフ界の“超絶セクシークイーン”と呼ばれるアン・シネも参戦する。

(参考記事:韓国女子プロが選んだ“禁断”の美女ゴルファーランキング。イ・ボミやキム・ハヌルの順位は?)

韓国に帰国して練習ラウンドを終えたキム・ハヌルは、「コンディションは最高です。負担を感じないで楽にプレーできれば、いい成績が残せると思う」と話している。昨年は6位に終わっただけに、内心は燃えていることだろう。

いずれにせよ、今週は久しぶりに韓国女子ツアーに参戦するキム・ハヌル。日本女子ツアーを代表する選手として、韓国でもその名を轟かせてほしいものだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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