Yahoo!ニュース

意外なデータ、先制率100%。ハリルジャパンの勝敗を分ける2点目の行方

清水英斗サッカーライター
6月のイラク戦でも先制ゴール。しかし、その後は……(写真:ロイター/アフロ)

日本代表は残る2試合、オーストラリア戦とサウジアラビア戦のどちらかに勝てば、ロシアワールドカップ出場が決まる。

現在は勝ち点17で首位とはいえ、サウジアラビア、オーストラリアとの勝ち点差は1しかない。引き分けではダメだ。相手が他の1試合を取りこぼさないと仮定すれば、日本が2試合共に引き分けた場合、日本が得る勝ち点は2、両チームが得る勝ち点は4。逆転されてしまう。

少なくとも、2試合のうちどちらかでは勝ち点3が必要だ。しかも、最終戦がアウェーかつ酷暑のサウジアラビア戦であることを考えれば、やはり31日のホーム、オーストラリア戦で是が非でも勝ちたいところ。

では、オーストラリア戦でポイントになるのは何か?

これまでの最終予選を振り返ると、ひとつの重要な事実がある。それは8試合すべてにおいて、日本が“前半に”先制ゴールを挙げていることだ。先制率100%。日本の攻撃がゼロに抑えられた試合はひとつもない。これは素晴らしいことだ。

しかし、その一方、1-0の勝利はひとつもない。

初戦となったUAE戦は本田圭佑のゴールで先制した後、1-2で逆転負け。ホームのイラク戦も原口元気のゴールで先制した後、1-1に追いつかれてしまい、アディショナルタイムの山口蛍の劇的ゴールで辛くも2-1で勝利した。アウェーのオーストラリア戦も前半早々に原口のゴールで先制しつつ、後半に1-1に追いつかれて引き分け。直近アウェーのイラク戦も、大迫勇也のゴールで先制したが、後半に追いつかれて1-1だった。

1-0のまま、試合を終わらせたことがない。前半に先制し、後半に追いつかれる。ハリルジャパンはこのパターンの試合が多い。ゼロに抑えたのは、レベル差があったタイ戦を除けば、2-0で勝ったアウェーのUAE戦のみだった。先制率こそ100%だが、相手をゼロに抑えた試合が少ないのは気がかり。

オーストラリアの攻撃力を考えれば、今の日本が失点をゼロに抑えることは、過剰には期待できない。ロギッチのミドルシュートはどこからでも一発で決める可能性を秘めているし、ユリッチもPKを得るのが巧みだ。また、ポゼッションサッカーとか、何だかんだ言っても、やはり終盤に仕掛けてくるオーストラリアの空中戦は、日本にとっては脅威になる。

2点目を取ること。これが勝利のポイントだ。実際、勝った試合では追加点がうまく決まっている。特に今回の2試合は勝ち点の計算上、引き分けてもあまり意味がない。先制に成功しても、攻める意識を減らさず、追加点をどんどんねらうべき。そういう試合だ。アタッカーに事欠かない陣容だけに、途中出場する選手のパフォーマンスも大きな影響力を持つ。

サッカーにおける2点目は常に重要とはいえ、このオーストラリア戦の位置付け、さらに日本代表のこれまでの最終予選の実績を踏まえると、この2点目が間違いなくキーポイント。積極的に獲りに行く試合を期待する。

サッカーライター

1979年12月1日生まれ、岐阜県下呂市出身。プレーヤー目線で試合を切り取るサッカーライター。新著『サッカー観戦力 プロでも見落とすワンランク上の視点』『サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術』。既刊は「サッカーDF&GK練習メニュー100」「居酒屋サッカー論」など。現在も週に1回はボールを蹴っており、海外取材に出かけた際には現地の人たちとサッカーを通じて触れ合うのが最大の楽しみとなっている。

清水英斗の最近の記事