依然高止まり続ける隠れ失業者

(写真:アフロ)

10日に公表された総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2020年(令和2年)7~9月期平均結果」によれば、自分が望むとおりに働きたくても働けない状態にある未活用労働者は486万人となり、前年同期に比べて96万人増加しました。

図1 未活用労働者の推移(万人)(総務省統計局「労働力調査(詳細推計)」により筆者作成)
図1 未活用労働者の推移(万人)(総務省統計局「労働力調査(詳細推計)」により筆者作成)

この未活用労働者のうち、完全失業者を除いた隠れ失業者は、284万人と前年同期に比べて58万人増加しています。なお、コロナ禍の真っただ中にあった4-6月期では339万人と前年同期より96万人の増加でしたから、それよりはやや改善していますが、依然高止まりしていることになります。

図2 未活用労働者の増減(対前年同期差、万人)(総務省統計局「労働力調査(詳細推計)」により筆者作成)
図2 未活用労働者の増減(対前年同期差、万人)(総務省統計局「労働力調査(詳細推計)」により筆者作成)

なお、隠れ失業者等については、筆者の記事コロナ禍で増える隠れ失業者(2020/10/15)もご覧ください。

表 未活用労働の定義(総務省統計局資料「未活用労働指標の解説」をもとに筆者作成)
表 未活用労働の定義(総務省統計局資料「未活用労働指標の解説」をもとに筆者作成)

隠れ失業者284万人のうち、追加就労希望就業者219万人(対前年同期+46万人)、拡大版失業者22万人(同+7万人)(※)、潜在労働力人口44万人(同+6万人)(拡張求職者5万人(同0万人)、就業可能非求職者39万人(同+6万人))となっており、新型コロナ対策による景気悪化で、掛け持ちの仕事を失ったり、シフトを減らされるなどしたため、もっと労働時間を増やしたり、今の仕事に加えて新たに別の仕事を掛け持ちで増やしたい人などのように、今よりももっと多くの時間を働きたい(働かなければならない)と考えている追加就労希望就業者の寄与が大きいことが分かります。

※ここで、拡大版失業者とは、本来の失業者は1週間以内に求職活動を行った者と定義されているが、1カ月以内に求職活動を行った者のことを指しています。上の表では、B 失業者のうち(2)1か月以内に求職活動を行っている のこと

さらに、隠れ失業者に対する男女別の寄与を見るために、隠れ失業者を労働力人口に潜在労働力人口を加えた値で割った隠れ失業率を見ると、水準では一貫して女性の方が高いものの、新型コロナ禍の今年4-6月期以降では、男性の方が隠れ失業率の悪化幅がより大きく、深刻であることが確認できます。

図3 隠れ失業率の推移(%)(総務省統計局「労働力調査(詳細推計)」により筆者作成)
図3 隠れ失業率の推移(%)(総務省統計局「労働力調査(詳細推計)」により筆者作成)

このように、7月22日にGoToトラベルが開始されるなど、徐々に経済活動が戻りつつあるとはいえ、7-9月期時点では、依然、新型コロナ対策の影響により隠れ失業者は高止まりしています。