世帯年収別に見た消費税、所得税、社会保険料負担の実態(2019年)

(写真:アフロ)

総務省統計局「家計調査」により、世帯年収別の消費税、所得税、社会保険料負担の実態(2019年)を試算したものが下表です。

表1 世帯年収別に見た消費税、所得税、社会保険料負担の実態((出典)総務省統計局「家計調査」より筆者作成)
表1 世帯年収別に見た消費税、所得税、社会保険料負担の実態((出典)総務省統計局「家計調査」より筆者作成)
表2 世帯年収別に見た消費税、所得税、社会保険料負担の実態((出典)総務省統計局「家計調査」より筆者作成)
表2 世帯年収別に見た消費税、所得税、社会保険料負担の実態((出典)総務省統計局「家計調査」より筆者作成)

この結果から分かるのは以下の通りです。

  1. 負担金額で見れば、世帯年収が高いほど、消費税などの負担も大きくなる。
  2. 負担金額で見れば、1500万円未満世帯までは、社会保険料負担が最大の負担項目である。
  3. 世帯年収に占める比率で見れば、消費税の逆進性が認められる。
  4. 世帯年収に占める比率で見れば、消費税同様、社会保険料負担にも逆進性が認められる。
  5. 世帯年収に占める比率で見れば、所得税の累進が消費税の逆進性を緩和できていない。
  6. 世帯年収が250万円未満の低所得世帯では、世帯年収に占める比率で見れば、消費税、所得税、社会保険料の負担トータルでは、30%近くの負担を負っている一方、それより高所得の世帯では20~26%程度に留まっている。
  7. 世帯年収に占める比率で見た逆進性の大きさは、消費税と社会保険料によりもたらされている。

ただし、以上は、あくまでも単年度、かつ負担面のみのデータ分析であることに留意が必要です。

そこで、社会保障給付を合わせて試算した結果が下図です。

図 世帯年収別に見た純負担率の実態((出典)総務省統計局「家計調査」より筆者作成)
図 世帯年収別に見た純負担率の実態((出典)総務省統計局「家計調査」より筆者作成)

同図によれば、負担だけでなく、社会保障給付を合わせて考えた場合、400万円未満世帯では振れが大きいのですが、400万円以上の年収世帯であれば逆進性が消えていますし、全世帯で考えても総じてみれば逆進性が解消されることが分かります。

ただし、この場合も、留保が必要であって、社会保障給付の大部分は年金収入でして、年金を受給している高齢者と同居していない低所得世帯ではやはり負担の逆進性の悪影響が大きいものと推測されます。

したがいまして、今後も全世代型社会保障の確立・充実を目指いしていくのであれば、年金受給者を含まない低所得世帯に対して、いかに適切に配慮していけるかが非常に重要な課題と言えるのではないでしょうか。