小池百合子都知事の圧勝を支えた高齢者

(写真:アフロ)

7月5日に投開票が行われた東京都知事選では小池百合子都知事が史上2番目となる約366.1万票を獲得し圧勝しました。

この要因としては、いろいろな方が様々な角度から分析されていますが、なかでも木走正水さんの分析「保守政治家小池百合子は、ぶ厚い低所得者層に支えられていたという驚くべき事実を検証」がとても興味深く、勉強になりました。

筆者なりに各候補者の市区町村別得票率を眺めていて、木走さんとは異なる視点で一つ気が付いたことがありましたので、ご参考までに備忘録として書き留めておきたいと思います。

なにに気が付いたかと申しますと、小池都知事の得票率と高齢化率との間に関係があるのではないかという点です。

そこで、東京都選挙管理委員会事務局の都知事選のデータと東京都人口統計課による高齢化率のデータを使って描いたのが下図です。

図 小池都知事の得票率と市区町村別高齢化率((出典)筆者作成)
図 小池都知事の得票率と市区町村別高齢化率((出典)筆者作成)

思った通り、高齢化率と小池都知事の得票率には正の相関がありました。つまり、小池都知事圧勝の背後には高齢者がいたと言えそうです。

では、なぜ、高齢者は小池都知事に投票したのでしょうか?

ハッキリしたアンケート調査などがあるわけでもなく、残念ながら推測でしかありませんが、やはり、コロナの影響が大きいのではないかと思います。小池都知事は、連日、コロナ対策関連でTVに露出されていましたし(いまではTVの最大の視聴者は高齢者です)、また当初は果敢にロックダウンの可能性にも言及することで、後に国が緊急事態宣言を出し、実質上のロックダウンにつながる路線を整備したのが、強いリーダーシップの発揮と見え、自分たち高齢者の命を守る守護者と映ったのではないかと思います。

逆に、若い世代から見れば、年金で生活が保障されている高齢者とは異なり、非正規で安定した収入も貯金も少ないにもかかわらず、実質的なロックダウンで職を失った方も多いわけですから、現職都知事に投票するのが気が進まなかった方も多いと思われます。

それからもう一つ、事前の報道でも、小池都知事の優勢が伝えられていましたから、投票を自分の権利と考えがちな若い世代は棄権し、投票は義務と考える高齢者が投票に行ったのも、小池都知事圧勝につながったと考えられます。

もちろん、以上は推測でしかなく、年代や属性別の得(投)票率が明らかにならない限り、断言はできないのですが、小池都知事圧勝の背後には高齢者の支持があったと考えても、それほど大きな違和感はないと思いますが、いかがでしょうか?