それでも全世帯一律給付にすべき6つの理由(追記あり)

(写真:アフロ)

新型コロナショックに対しては昨日、安倍総理と自民党の岸田政調会長との間で、住民税非課税世帯と一定の所得制限を課した上で収入が5割程度下がるなど急減した世帯に対して、一世帯当たり30万円支給することで合意されました。

なお、30万円という金額の根拠は、かなり強引な手前味噌になり恐縮ですが、わたしの下記の記事をご覧頂ければ、一つの相場観が得られるのではないかと思います。

800万円未満の世帯に30万円現金を配れば消費税負担をチャラにできて現金給付もできるし一石二鳥

最終的には、一定の所得制限と条件が課されることになりましたが、わたしは次のような理由から、それでも所得制限は一切課さずに全世帯一律給付にすべきと考えております。

理由1:2019年の収入がわからないかも

住民税非課税世帯にしても、収入5割減世帯にしても、2019年の収入を基準にすることになると思いますが、去年の所得が確定していない(確定申告が未終了など)場合、確定を待ってからとすれば、いま現に収入が激減し、生活が苦しい世帯からすれば、スピードが遅すぎ、生活が保障されないのと同じです。

理由2:いつからいつまでの収入なのか?

いつまでの所得を持って激減したか、その期間の設定によっては、やはり対策の網からこぼれ落ちる世帯が出てしまいます。つまり、いま現に影響を受けている業界にいる方々はこれまでの所得減を証明できますが、これからジワジワ影響が出てくる業界にいる方々は、期間の設定如何にによって給付を受けられない可能性が出てきてしまいます。例えば、2月から4月までの収入を基準としてしまえば、5月以降収入が5割以上落ち込んだ世帯は給付対象外となります。そうだとすれば、こうした世帯を救うことはできません。

あるいは、2月から4月までの収入は5割以上減りましたが、10月から収入がV字回復し、終わってみれば前年並みの収入が確保できた場合、過剰給付になってしまいます。

さらに、月収には変化がなくてもボーナスがなくなれば収入は激減しますが対象とならない可能性が高いですね。

理由3:内定切り・就職予定の会社が倒産した新卒者

今春から新入社員として働く予定だったものの、内定切りにあったり、入社予定の企業が倒産したりした場合、この方々は、そもそも基準となるべき2019年の所得は存在しませんし、これからの収入もありませんから、収入基準を満たさない可能性が高いです。あるいは、内定切りにあったとして、なんとかアルバイトを見つけられとすると収入が1千円でもあれば、収入が増えたことになってしまいますから、やはりこうした方々も給付対象外となってしまいます。

理由4:一定の所得とはいくらか?

一定の所得をいくらにするのか?給付対象の所得基準を、例えば、5百万円としたしましょう。いま、2019年の収入が1千万円で今年の収入が2百万円にまで減ったAさん、2019年の収入が5百万円で今年の収入が2百万円に減ったBさんがいたとしますと、Aさんは収入が8割減、Bさんは収入が6割減ですが、Aさんは給付対象にならず、Bさんは給付されることになります。しかし、今年の収入はどちらも同額です。これでは大変不公平ですし、Aさんの生活を守ることはできないでしょう。

理由5:新型コロナ罹患リスクを高め自治体をパンクさせる

給付を受けるには、自己申請が必要です。当然、申請は自治体の窓口で行うことになります。所得証明に関する書類もやはり自治体の窓口に行かなければならないでしょう。そうすれば、申請者が自治体の窓口に殺到し、いわゆる3密が発生してしまいますので、新型コロナ罹患リスクが否応なく高まりますし、もし申請を受け付ける窓口職員が罹患すると申請業務に支障が生じますから、ただでさえ窓口に殺到する対象者をさばくのにてんてこ舞いの窓口はパンクしてしまうのは確実です。

理由6:収入減は本当にコロナが原因?

収入減があったとしてそれは本当にコロナが原因だと言えるのでしょうか?

こうした理由から、やはり、いったんは全世帯に一律に給付したあと、実は困っていなかった人から確定申告などで後からお返し願うやり方の方が、時間的ロスも少なく、窓口をパンクさせることなくスムーズに、新型コロナ罹患リスクもあえて高めることなく、本当に厳しい状態にある方に支援が届けられると思います。

****202004041230追記****

月収を基準にとの記事がありました(見落としてましたm(__)m)。

現金給付、1世帯30万円に 対象は月収で絞り込み(日本経済新聞 4月3日)

しかし、月収を基準にしても、いつの月収なのか?など、上記理由の一般性は一切失われないと思います。