新型肺炎によるイベント自粛の経済的損失は、東京オリ・パラ中止抜きでも、最悪で1.4兆円。ただし、

スーパーなどから、次々に商品が消えていく中、イベントや外出の自粛も続いています。

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このままイベントや外出の自粛が続けば、日本経済にどの程度の(一時的な)損失が発生するのか、東日本大震災の時の経験をもとに、差分の差分(Difference-in-differences:DID)分析を総務省統計局「家計調査」の教養娯楽サービスに応用することで、試算してみました。

ここでは、総務省統計局「消費者物価指数」で実質化した2006年1月から2010年12月までの月次の教養娯楽サービスのデータにDIDを適用し、東日本大震災後のイベント自粛などの効果を取り出したところ、2011年3月▼15.5%減、同4月▼5.3%減、同5月▼8.5%減、同6月+0.6%増となりました。

そこで、東日本大震災発生時のイベント自粛の効果は発生直後の3月から5月までの3ヶ月間持続したものと見なすことにします。

続いて、この3ヶ月間にわたる減少率をもとに2019年の家計調査のデータから2019年基準で見た教養娯楽サービスの減少額を試算し、それを2019年の実質GDPの比率に換算しますと、▼0.041%となりました。

最後に、この比率を2020年の実質GDP額に掛け合わせると、▼2220億円(名目額▼2240億円)と試算できました。

したがいまして、新型肺炎によるイベントや外出自粛が東日本大震災並みだとすればその経済的損失は実質額で▼2220億円(名目額▼2240億円)となります。

さらに、蛇足ながら、最悪のケースとして、2011年3月の減少率▼15.5%減が今後1年間継続してしまうとすれば、その場合の経済的損失は実質額で▼1兆3840億円(名目額▼1兆3950億円)と試算できました。

もちろん、上記試算には東京オリンピック・パラリンピックの中止に関しては算入されていませんし(損失拡大要因)、東日本大震災の時にも年後半にはイベントや外出の自粛も転換したこと(損失縮小要因)などについても考慮されていないことには留意する必要があります。

ただし、イベント等の自粛解除を含めその後の挽回消費(代替消費)を考慮した通年で影響を考えれば実質額で▼430億円(名目額▼430億円)の減少にとどまることも申し添えておきたいと思います。