日本の労働生産性が低いのは経営者の責任

(写真:アフロ)

日本の労働生産性が低いことはよく知られています。例えば、公益財団法人日本生産性本部から毎年公表されている「労働生産性の国際比較」によりますと、日本の時間当たり労働生産性は、OECD加盟国36か国中20位と低迷を続けています。なお、製造業で見ても、OECD主要31か国中15位に過ぎません。

労働生産性が一定のまま、人口が減れば、GDPも減少してしまいますので、政府も労働生産性の引き上げに躍起になっています。

労働生産性の低さの原因は、しばしば労働者の非効率的な働き方に原因があるとされています。

しかし、実は日本の労働者は世界一の能力を持っているのです。

どういうことかと言いますと、OECDが2011年から2012年に、OECDに加盟している24か国・地域の16歳~65歳までの男女を対象として仕事に必要な「読解力」「数的思考力」「ITを活用した問題解決能力」について調査した「国際成人力調査」で、日本は「読解力」「数的思考力」でそれぞれ1位を獲得、「ITを活用した問題解決能力」では10位と、総合すれば世界一との結果なのです。

ただし、年齢によって能力に偏りがあり、若年層は「ITを活用した問題解決能力」が高く、中高年層は「読解力」「数的思考力」が高くなっています。

この結果から言えるのは、日本の労働者の能力は世界トップクラスなのですが、その能力がなんらかの理由で存分に発揮出ていないので、日本の労働生産性が低くなっているということでしょう。

まず、日本の労働生産性が低い原因は、経営者にあると言えます。世界トップクラスの労働者の能力を生かし切れていないわけですからね。

次に、企業が求めるのは「ITを活用した問題解決能力」であるところ、その能力が不十分な中高年労働者が会社に居座っているため、生産性が低くなっているという可能性もあります。

これに関しては、「年功序列」、「終身雇用」、「解雇の困難性」という日本型雇用慣行に原因があるとも言えますが、こうした日本型雇用慣行の弊害が指摘され出してから、すでに長い時間が経っています。それでも、一向に改善しないのはやはり経営側に問題があると言えます。

まとめますと、世界トップクラスの日本の優秀な労働者の能力を発揮させられないのは経営側の問題ということです。

最近は、日本でも、労働者の賃金を極限まで減らしておきながら、自分たちは莫大な報酬を受け取る経営者が増えてきましたが、本当にその資格があるのか、胸に手を当てて考えてみられることをお勧めしたいと思います。