2019年財政検証を勝手に読む-若者に老後はない

(写真:アフロ)

2004年のいわゆる「100年安心レポート」以来、5年毎に財政検証が実施されることになっていまして、通常であれば、今年の5月か6月頃に公表されるはずだったのですが、なぜか(←ここ大事)3カ月遅れて、昨日、ようやく公表されました。

「2019年財政検証」に関する詳しい評価は他の立派な研究者のみなさまにお任せするとして、なんちゃって研究者の小職からは、以下の点を指摘しておきたいと思います。

  1. 足元のインフレ率や実質賃金の推移を見る限り、今回示された6つのケースのなかでは、ケースVIの実現性が高い。つまり、実質経済成長率▲0.5%、インフレ率0.5%、実質賃金率0.4%。ただし、ケースVIでも過大評価の可能性アリ。
  2. ケースVIでは、2052年には積立金がなくなり、完全賦課方式に移行。したがって、全然100年安心ではない
  3. 1987年に生まれた人の所得代替率が46.1%へ。それより若い人は36%程度にまで落ち込む。
  4. 1987年生まれでは、モデル世帯の年金額は18.8万円。これは実質賃金が0.4%で成長するとの前提。そもそも、モデル世帯なんて都市伝説
  5. 1987年生まれでは、もし一切成長しなければ、夫婦二人で貰える年金額は16.5万円
  6. 1987年生まれより若ければ、12.9万円!夫婦二人でこの額です!!
  7. 国民年金だけだと、厚労省のケースでは一人当たり5.6万円。
  8. 賃金が成長しなければ、一人当たりの国民年金は3.8万円。
  9. オプション試算にある「保険料拠出期間の延長」と「受給開始年齢の繰り下げ」こそが厚労省の本当の狙い

以上から明らかなように、今の30代より若い世代は、年金は全くあてにならないのです。つまり、死ぬまで働き続けなければならず、老後というのは一部の金持ちの贅沢になり果てたのです。

若い頃は高齢者のために働き、高齢となった後は自分のために働く。

文字通り、若者に老後はないのです!!(もちろん、高齢になっても働き続けられる仕事と健康があっての話ですけどね)

しかも、この頃は就職氷河期世代も高齢者となっていて、かなりの割合で年金制度からこぼれ落ち生活保護受給者になっているはずなので、その財源20兆円(消費税率8~10%相当)も重くのしかかることにもなります。

そろそろ、ロスジェネ含めて若者は本気で怒っていいと思います...というか、怒るべきでしょ

母さん、僕たちの経済成長の果実、どうしたんでせうね?