選挙に行こう!投票しよう!そして老人支配を追認しよう!?

(写真:アフロ)

選挙戦が始まり各党の公約が出そろった。

各党の公約(NHK選挙WEB)

消費増税を財源として主張する自民党、公明党を除き、相変わらず安定した財源を明記しないまま全世代への給付を拡充する大盤振る舞いが続く。

こうした大盤振る舞いの真のコスト負担者は誰なのかは昨日の記事(各党の公約を世代会計で診断するとわかること)でも書いた通り、必要なデータが出揃えば、世代会計で明らかにすることができる。

日本には深刻な世代間格差が存在するが、実は、現在世代が将来世代を搾取する構造高齢世代が若年世代を搾取する構造の二重構造となっている(拙著『シルバー民主主義の政治経済学』(日本経済新聞社)に詳しく書いてあります)。

現在の全世代型社会保障の流れは、高齢者への給付の温存さらには拡充しつつ若者への給付を拡充するものだが、これはシルバー民主主義というよりは高齢世代と現役世代の暗黙の共謀と捉えられる。なぜなら、財源は赤字国債の発行に実質的に依存したままだからだ。要するに、現在の全世代型社会保障は将来世代の犠牲において現在世代が利益を得る政策なのだ。

結局、消費税率引き上げの凍結は現在世代が将来世代への責任を放棄することなので、消費税率引き上げ凍結等を主張している政党は、将来世代を犠牲に票を獲得しようとしている。

一方で、現在の日本の財政・社会保障制度における受益・負担構造は、右肩上がりの人口・経済を前提としたままなので、先細り貧乏になっていく現役世代が、以前よりは豊かになり膨れ上がっていく高齢世代を、世代間連帯という美名のもと、実は現役世代が片務的に高齢世代の面倒を見させられているのが現状である。世代間連帯とは本来双方向のものであるはずだろう。

この片務的な世代間連帯の構造改革なくして、現役世代と高齢世代の間の世代間格差の是正はないのだが、これに関して是正策を積極的に主張する政党は残念ながら見当たらない。つまり、この点では、なんだかんだ、日本はシルバー民主主義である。

結局、こうした二重構造を放置したまま「選挙に行こう!投票しよう!」と言っても、シルバー民主主義とそれに相乗りする高齢世代と現役世代の暗黙の共謀を強化するだけだ。

つまり、選挙に行こう!投票しよう!そして老人支配を追認しよう!と言っているのに等しい。

人それぞれではあるものの、選択肢がないと考える場合の選挙でも有権者は選挙に参加しなければならないのだろうか?さらには、棄権という選択を行ったとしても、その個人は選挙に対して結果責任を共有しなければならないのだろうか?