各党の公約を世代会計で診断するとわかること

(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

第25回参議院議員通常選挙が本日公示され、21日に投開票が行われる。選挙に際しては、各党は公約を国民に提示し、様々な政策を約束する。しかし、多くの場合その政策での給付額に関しては大々的にアピールするものの、その政策にかかる財源の調達方法については明らかにされることは少ない。

昨日行われた与野党党首討論会でも盛んに給付増や負担軽減策のアピール合戦が繰り広げられた。

政策には必ずコストが発生する(フリーランチは存在しない!)。しかし、政治家や役人が考えるコスト負担の行き着く先は本当のコスト負担者と往々にして異なることが多い。

そうした真のコスト負担者に関して、国民を世代に分解して世代間負担(とその格差)として提示するのが1991年にアワーバックやコトリフらによって開発された世代会計である。

世代会計は、

  1. マクロの数字ではわからない政策の実施や変更の受益・負担構造をミクロ(個人の生涯純税負担)の世代間不均衡として表現
  2. ゼロ・サムの会計的手法により見せかけの軽減負担や形式上の財源調達の歪みがどこに来ているのかを見える化する

特徴を持つ。

したがって、世代会計を使えば、各党の公約が謳う聞こえのいい給付増や負担削減策が、実際の真のコスト負担を誰(どの世代)が行い、誰(どの世代)が利益を得るのかを白日の下にさらすことができる。

これはなにも給付増や負担軽減に限らず、ある支出を止めそれを別の支出に振り替えた場合でも、受益と負担の異動は起こり得るので、世代間負担は変化するし、世代会計で明らかにすることができる。

そうなれば、今回の通常選挙に際して、各年代の有権者が自分の給付と負担のバランス変化、あるいは自分の子供や孫世代の給付とバランスの変化を考慮して投票を行ううえで大変貴重な情報となると思うがどうだろう?

各政党の皆さん、給付増や負担削減だけでなく、財源についてもしっかり記すことで、世代会計の診断を受けてみませんか?幸い数字を頂ければ簡単に試算できますので、選挙期間中に有権者に提示できますし。

政策コストの真の負担者を有権者に明らかにしたうえで、大盤振る舞いを競い合えば、きっと責任ある政党として有権者から絶大な支持を得られるはずですよ!?