われわれは老後の生活資金を2000万円も用意できるのだろうか?-統計から確認する-

(写真:アフロ)

金融庁の報告書が明らかにしたように、平均的な世帯を考えれば、公的年金ほかに老後の生活資金を別途2000万円蓄える必要があるが、実際に可能なのか、データから明らかにしてみます。

厚生労働省「国民生活基礎調査」で、年齢別の貯蓄金額を見ると、そもそも貯蓄がゼロである世帯は平均で全体の15%にも及びます。年代別にみると、29歳以下15.3%、30歳代14.5%、40歳代17.3%、50歳代14.8%、60歳代14.1%、70歳代15.0%、80歳以上13.9%と、いわゆる40~49歳の氷河期世代で無貯蓄世代の割合が一番高くなっています。

次に、すでに貯蓄額が2000万円以上保有している割合は、全世代平均では15.0%、年代別では29歳以下0.3%、30歳代2.5%、40歳代7.6%、50歳代14.8%、60歳代22.3%、70歳代18.6%、80歳以上18.1%となっています。若い世代ほど少ないのは当然なのですし、高齢世代でも減るのは当然なのですが、ポイントは貯蓄を取り崩し始める直前の60歳代でも22%しか2000万円というハードルをクリアしている世帯がいないという点でしょう。

表 年齢別の貯蓄保有額(厚生労働省「国民生活基礎調査」より筆者作成)
表 年齢別の貯蓄保有額(厚生労働省「国民生活基礎調査」より筆者作成)

結局、年金のほかに資産2000万円なんて夢のまた夢でしょうし、金融庁の提言がほとんどの国民をしらけさせたいったんはこの点にあるといえるでしょう。つまり、2000万円の資産なんて絶対に無理でしょ、煽られてもどうしようもできないって。。。

結論は、無理ゲー

そして、「人生100年時代」「老後資金2000万円」を強調すれば強調するほど、当然消費は冷え込むわけですから、景気動向が消費税引き上げの前提となっている現状にかんがみれば、全世代型社会保障を支えるはずの消費税の引き上げが難しくなるので、さらに貯蓄に励む必要が出てきて、景気は・・・の無限ループに陥りかねません。