金融庁「老後資金2000万円不足」報告書は高く評価されるべき

(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ)

先週土曜日、辛坊治郎氏がMCを務める読売テレビウェークアップ!ぷらすのコーナー

▽「100年安心」はウソだった?

今週、年金受給額の減少を見据え、金融庁が資産形成に投資を促す報告書を発表。年金はどこまで下がるのか。今できる老後に備えた資産管理とは?辛坊治郎と専門家が徹底討論。

出典:ウェークアップ!ぷらす公式(@ytvwakeup)

に、専門家として出演させていただける機会があったのですが、辛坊キャスターは「100年安心プラン」のウソをいち早く告発するなど年金問題の専門家でもあり、そもそも討論者なんて必要ないのと、わたしが持ち前のコミュ障をこじらせたこともあって、意味不明な音を発する文鎮と化してしまう失態を演じてしまったわけです。まぁ、事前に予想できたことだったかもしれませんが...。辛坊さん、出演者の皆様、スタッフの皆様、そして何より視聴者の皆様、すみませんでしたm(__)m

というわけで、今回は、反省も込めて、番組では言えなかったけど、準備してたことを備忘録として残しておきたいと思います。

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」への評価ですが、みんなうすうす感じていた「年金給付額はこれからどんどん減らされていくのでは?」ってことを参院選前という空気を読まずにズバリと指摘したという点では画期的かつ親切なものだったと思います。

もちろん、そこにはNISAやiDecoをPRして業界の活性化につなげたいという邪な思いもあったかもしれませんが、それでもなおやはり国民に老後の資金として年金があてにならない実情を再認識させ、年金の在り方に一石を投じるきっかけとなったという点で高く評価したいと思います。

野党の皆さんは、そもそも本件を叩いている多くの野党の政治家の皆さんが所属していた旧民主党では、政権交代の時に、国民に約束した年金の抜本改革を結局何一つ実現できなかった責任をいかに考えているのか、まず明らかにしたうえで自己批判していただきたいと思いますね。現行の年金制度に不備があるから制度改革しようとしていたのではないのでしょうか?それなのに、下野した瞬間、年金のことは忘れて、モリカケ国会などに終始し、国民生活に直結する年金改革の機運を失わせた罪は大きいと思います。

メディアの皆さんも、「100年安心」プランの欺瞞を暴いた研究や書籍はそれこそ掃いて捨てるほどある中、このままいけば年金が切り下げられることになるだろうこと、もしくは、現在の少子化、所得低迷が続けば、年金だけで生活しようとすると消費水準を現役世代の4割程度にまで抑えなければならなくなること、したがって、老後を年金だけで送れるのは困難になっていくことを知らなかったはずはありませんし、知らなかったとすれば、勉強不足にすぎると思います。

結局、金融庁がここまで叩かれたのは、参院選前なので、政府や与党のあらを探して、そこを叩いて票につなげたい野党と、とにかく政府与党を批判したいメディアの思惑が一致して飛びついたからだろうと思います。

最後に、繰り返しになりますが、今回の金融庁の報告書は、最終的な表現(年金の水準は中長期的に実質的な低下→年金の水準は今後調整されていく)こそ霞が関文学で曖昧になってしまったのは残念ですし、そろそろ真実を正直に伝えるべきではないかという思いもありますが、少子化に歯止めがかからず、所得も低迷が続く中、年金給付額の切り下げは不可避で、年金の引き下げを前提に老後の生活資金計画を立てる必要があることを国民に広く知らしめた点で高く評価できると私は思います。