本当に公的年金だけで暮らせるのか?-金融庁試算は衝撃だが暴論ではない。政治家こそ仕事しろ!-

(写真:アフロ)

金融庁が人生100年時代に公的年金だけでは暮らせず2000万円の資金が必要との報告書をまとめたとの報道がなされると全方位から批判が相次ぎました。

やはりというかなんというか、この方も噛みついておられます。

「年金で暮らせない。まず謝れよ」立憲・辻元清美氏(朝日新聞)

そもそも、今現在、公的年金だけで生活されているお年寄りはどの程度いらっしゃるのでしょうか?ここでは厚生労働省「国民生活基礎調査」を使って調べてみましょう。

まず、高齢者世帯の1世帯当たり平均所得金額は2016年では318.6万円、うち公的年金は211.2万円で全体の約3分の2(66.3%)を占めています。

高齢世帯の収入の構成(厚労省「国民生活基礎調査」により筆者作成)
高齢世帯の収入の構成(厚労省「国民生活基礎調査」により筆者作成)

次に、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のうち公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%、つまり公的年金「だけ」で生活している高齢世帯は2016年現在52.2%、だいたい半数の世帯です。実は、この割合は2003年をピーク(64.2%)に減少しています。

収入に占める公的年金等の割合(厚労省「国民生活基礎調査」により筆者作成)
収入に占める公的年金等の割合(厚労省「国民生活基礎調査」により筆者作成)

こうしたデータを抑えれば、金融庁の試算も唐突なものではなく、野党の政治家が謝罪しろよと言って済む問題でもないことがわかります。

というか、われわれ国民の側からすれば、与野党含めて今まで何やってたんだよ、政治家、仕事しろ!としか思えません。

現行の賦課方式型の公的年金制度を維持するには、若者を増やして(少子化対策)、賃金を上げるのが王道なわけですが、批判してる政治家先生含めて、成果が上がることな~~~んにもやってこなかったわけで。どや顔で批判ばかりされても困るとしか言いようがありませんよね。

年金は、年々収入に占める割合が低下してきているとはいっても、それでもやはり老後の生活の要であることには変わりないわけですから、与野党が政争の具とすべき問題ではなく、逆に与野党が協調して解決していくべき問題です。

辻元先生も仰っておられる通り、批判だけでは、

政治の責任を放棄したと言わざるを得ない。

出典:「年金で暮らせない。まず謝れよ」立憲・辻元清美氏(朝日新聞)

のではないでしょうか?

この際、立憲民主党がイニシアティブをとって、人生100年時代にも公的年金だけで生活設計ができる年金制度改革をまとめ、政府与党に議論を挑めばよいと思います。そして与野党で話し合いを深め、公的年金制度が真に100年安心になるようにしなければなりません。

その際には、そもそも、公的年金だけで老後の生活が送れるようにするのが妥当か(つまり、勤労世代のバランスの兼ね合い)も含めて議論していただきたいと思います。

少子化高齢化が進行する中で、勤労世代の所得も上がらず、それなのに高齢世代が公的年金だけで100%生活できるようにするとなれば、莫大な財源が必要になるはずですからね。今の日本にそんな財源を賄える打ち出の小槌はあるはずもなく、、、

あっ、給付に見合う財源を、将来世代に付け回すのだけではやめにしてくださいね!!